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ソ連を知る本3 ソ連デザイン|露傍の石
今回はちょっと趣向を変え、ソ連デザインに関する本。 ソ連のプロダクト・デザインを語るのは少々困難で... 今回はちょっと趣向を変え、ソ連デザインに関する本。 ソ連のプロダクト・デザインを語るのは少々困難で、幾つかの前提を了解しておく必要がある。 1つには、外国の製品のコピーが少なくないこと。コピーは兵器から日用品まで多岐にわたるが、もちろん、それらが外国製品のコピーであることを知る人は殆どいなかった。しかしコピーとはいえ、それらの製品とデザインがソ連市民の生活の一部であった事実は変わらない。 もう1つは、コピーであれオリジナルであれ、その製品が「生産されていること」と、「充分に流通していること」には大きな違いがある。生産効率の悪さと貧弱な流通網はソ連経済の慢性的な病理であり、工業製品の生産量は常に低い水準にあった。例えば電子レンジは1970年代末に生産が始まったが、極めて高価であった上、流通量もごく僅かだった。もし創作でソ連の一般市民の台所を描写するとしたら、そこに電子レンジがあっては不自然な