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毎日読書#260 『劇画ヒットラー』(水木しげる)|マエダヒデキ
水木しげるによる「ヒットラー」の伝記。 本書は、先日ご紹介した藤子不二雄Ⓐの『劇画 毛沢東伝』と同じ... 水木しげるによる「ヒットラー」の伝記。 本書は、先日ご紹介した藤子不二雄Ⓐの『劇画 毛沢東伝』と同じ、昭和40年代に漫画サンデーで連載されていた革命家シリーズの作品だ。 浮浪者のような生活をしていた絵描きが、ひょんなことから泡沫政党の党員となり、アッと驚く方法で政権を握り、独裁者となった。選民思想(ナチズム)によるおぞましい迫害を行い、あげくは第二次世界大戦を引き起こすも、最後は大国ロシアに挑み、勝てないとわかり身勝手に自決する。 水木しげるは、そんなヒットラーという人物を淡々と描く。 読んでいるあいだ、何とも言えない不思議な違和感を感じるのだけど、読み終わって、あとがきの「ヒットラーさん」を読むと、その違和感の理由が見えてきた。水木しげるは、本書でヒットラーを絶対悪として描いていない。かといって、英雄にも描いていない。 淡々と、資料から見えるヒットラーという人物を素直に書いている。さらに
2023/06/29 リンク