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マキアヴェリ『君主論』を読む|世に倦む日日
マキアヴェリの『君主論』を読んだ。きっかけは、あるアカデミー関連機関が調査した全米の大学教科書ト... マキアヴェリの『君主論』を読んだ。きっかけは、あるアカデミー関連機関が調査した全米の大学教科書トップ100で4位にランキングされている事実を知ったことによる。岩波による「アメリカ10大学の課題図書」でもこの本が3位にランキングされていて、古典として絶大な人気を誇り、必読文献として大学教育に使われている様子が分かる。私は学生時代に齧ったきりで、完読に至らず中途で放り出したままだった。今回は最後まで読み切り、収穫も多い。学生時代のときも、やはり政治学のマストの古典だから読まなきゃという動機で臨んだが、全く面白くなく、哲学的でもなく、人間社会の真理が深く掘り下げられた理論が展開されているでもなく、何の刺激も魅力も感じず、無味乾燥で退屈な印象だけが残った。 人生を長い時間過ごすと、経験が人を古典の意義の発見に近づけ、価値の重さの感得に導くものだ。今回の読書でそのことを痛感した。今回は、この本がなぜ