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統合は死んだ、だがEUは生きている
連邦国家を目指すヨーロッパ統合は終わった。けれども、そのポスト統合をEUはしっかり生きている。 そ... 連邦国家を目指すヨーロッパ統合は終わった。けれども、そのポスト統合をEUはしっかり生きている。 そのEUについては、あるときに欧州合衆国の誕生が謳われたかと思うと、またあるときにはユーロ危機の最中のように瓦解が語られる。しかし、メディア上で乱高下する評価から卒業して、そろそろ等身大のEUを見つめ直す時期が来ているのではなかろうか。それは、国家でもなく、単なる国際機関でもない独特の存在であり、それゆえに不安定に見られがちだが、その二つのイメージの谷間で十分に安定し、存続している。 毀誉褒貶の激しいEU 時計の針を少し巻き戻そう。1990年代初頭、マーストリヒト条約が締結され、その批准過程がデンマークの国民投票による否決とともに混乱したころ、ちょうど通貨危機にも襲われた当時のECの評判は「地に落ちていた」(The Economist, 7 August 1993)。それに乗じたわけではなかろう