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第7回 お皿に盛られた楽園:ベルナール・パリシーの「田園風」陶器と理想庭園|「ヨーロッパ綺想庭園めぐり」桑木野幸司
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第7回 お皿に盛られた楽園:ベルナール・パリシーの「田園風」陶器と理想庭園|「ヨーロッパ綺想庭園めぐり」桑木野幸司
竈の中で紅蓮の炎が渦巻いている。その猛り狂う火炎をじっと凝視する一人の男。ときおり、薪をつかんで... 竈の中で紅蓮の炎が渦巻いている。その猛り狂う火炎をじっと凝視する一人の男。ときおり、薪をつかんで放り込むほかは、微動だにしない。そうしていったいどれほどの時間が過ぎ去ったのだろう。熱気に火照った額から滲み出た汗は、顎に至って滴となり、ぽたぽたと床に落ちてゆく。あと少しだ、あと少しで思い通りの器を焼き上げることができる── 「熱気さかんになりけれども、薬料いまだ焼き付かずして、薪柴すでに乏しくなりたり。いかにしてか、火力を減せざらしめんと、案じ思うに、園の木牆のありければ、これを引き抜きて竈中に投ぜしが、薬料いまだ鎔銷せざりけり」 十六世紀の中葉、フランス南西部の町サント。後に初期近代フランスを代表する陶工として名を馳せるベルナール・パリシー(1510頃-90年)(図1)が、独自の釉薬を土器に定着させるべく、自宅に設置した竈で試行錯誤を繰り返す場面である。手持ちの薪をすべて使い尽くし、ついに