考察・風の歌を聴け ①｢風の意味｣に答える読み方 - パスタを茹でている間に

村上春樹著『風の歌を聴け』を考察します。本作は群像文学新人賞への応募作で著者のデビュー作です。もう既に様々な読み方があるのですが、｢主人公=鼠｣とする読み方、｢レコードショップの女の子は鼠の恋人｣だったりです。私も本作から二つの主題を読めたのですが、今回は純粋に｢風の意味｣をプロットから考察します。 Hear the Wind Sing Happy Birtday and White Christmas 風の歌を聴け (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon Derek Heartfieldの正体 ハートフィールドは誰か？ 象と象使い サイコパスな｢僕｣ 主人公が失ったもの ｢嘘つき｣の意味 愛している振り(風) ｢僕はひとつしか嘘をついていない｣ 何も解決せず、どこにも行けず、意味がない 汝らは地の塩なり、塩もし効力を失わば、何をもてか之に塩すべき 火星の井戸 太陽にも終わり

[sisoa]

「ピンボール」とともに，最も好きな作品です。どこにも行けないし，結論も出ないけど，淡々と世の中の矛盾や自分の青さを傍観しているような，微妙な距離感が好きです。