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第2回 デニス・テン選手を悼んで――フィギュアスケーターの死がカザフスタン社会に問いかけたもの《スポルティクス!》(岡 奈津子) - アジア経済研究所
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第2回 デニス・テン選手を悼んで――フィギュアスケーターの死がカザフスタン社会に問いかけたもの《スポルティクス!》(岡 奈津子) - アジア経済研究所
2018年7月19日、フィギュアスケートのソチ冬季オリンピック銅メダリスト、デニス・テン(Denis Ten)が... 2018年7月19日、フィギュアスケートのソチ冬季オリンピック銅メダリスト、デニス・テン(Denis Ten)が暴漢に刺殺された。テン選手を襲った悲劇については日本のマスメディアも大きく取り上げたので、ご存知の読者も多いだろう。ただし、その内容がやや一面的なのは否めない。報道は、日本や海外のフィギュアスケート選手が送った追悼メッセージや、彼らとテン選手との交流に関するエピソードが中心だったからだ。 傑出したスケーターであり、カザフスタンの若きヒーローでもあったテン選手の死は、現地社会に大きな衝撃を与えている。このコラムでは、彼が祖国においてどのような存在だったのか、また今回の事件がカザフスタンの人々の強い怒りを呼び起こしたのは何故なのか、考えてみたい。 デニス・テンは1993年、カザフスタン東南部にある同国最大の都市アルマトゥに生まれた1。事件が起きる一か月ほど前に、25歳の誕生日を迎えた