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かなしみはちからに…
保阪嘉内あて書簡165 (山梨県立文学館『宮沢賢治 若き日の手紙』より) かなしみはちからに、欲(ほ)... 保阪嘉内あて書簡165 (山梨県立文学館『宮沢賢治 若き日の手紙』より) かなしみはちからに、欲(ほ)りはいつくしみに、いかりは 智慧にみちびかるべし。 この言葉は、1920年(大正9年)6月~7月頃の投函と推定されている保阪嘉内あて書簡165の上欄外に、90度方向を変えて書かれているものです。 この時、嘉内は志願兵として東京で入営中、賢治は5月に盛岡高等農林学校の研究生を修了して、なすすべもなく花巻の実家で質屋の店番をする毎日でした。 書簡そのものの内容としては、下記のように最近の自分は「毎日ブリブリ憤ってばかり」いるということを書き連ねていて、この「いかり」をどう扱ったらよいのかということから、欄外の言葉へと関連してくるのでしょう。本文の進行とパラレルに、上部にもう一つの想念が配置されてポリフォニーを奏でているところは、後の「習作」という作品の構造も連想させます。 (前略)突然ですが、
2016/05/09 リンク