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田中康夫『なんクリ』に合計特殊出生率と高齢化率掲載の真意
1980年に文藝賞を受賞、翌年1月に出版され大ベストセラーに。女子大生でモデルの由利を主人公に、彼女の... 1980年に文藝賞を受賞、翌年1月に出版され大ベストセラーに。女子大生でモデルの由利を主人公に、彼女の好きな服やブランド、音楽などを通して消費社会をしなやかに享受する若者像を描いた『なんとなく、クリスタル』。当時社会現象となった。頻出するカタカナには詳細な註が付けられ、風俗カタログ小説との評もあったが、現在は1980年代のエポック文学とされている。 そんな“なんクリ”が『33年後のなんとなく、クリスタル』(河出書房新書)として11月末に33年ぶりに復活する。実に田中康夫氏の17年ぶりの作品となる。 33年前、“なんクリ”の註の最後に、日本の合計特殊出生率と高齢化率のデータが2ページにわたって記されていたことに注目した人は少なかった。 「出生率が低下し、高齢化が進行するデータを見て、大学生の僕は思ったんです。日本は、右肩上がりという言葉で捉えられる社会ではなくなるかもしれない、と」(田中さん
2015/07/17 リンク