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【書評】『Moving Plants』/渡邊耕一・著/青幻社/3800円+税 【評者】与那原恵(ノンフィクションラ... 【書評】『Moving Plants』/渡邊耕一・著/青幻社/3800円+税 【評者】与那原恵(ノンフィクションライター) 「イタドリ」という植物がある。ハート型の葉で、白い花を咲かせ、高さ一~二メートルに成長する。日本のいたるところでごく普通に見られる雑草は、食用、薬用としても利用されてきた。「スカンポ」などとも呼ばれ、この植物をあらわす方言は六〇〇種に及ぶという。イタドリはアジア原産で、紀元前中国の辞書に「虎杖」の名で記載され、日本では『日本書紀』以来、多くの書物に記述されている。 十九世紀、イタドリは欧米諸国に渡った。この移動する植物(Moving Plants)は、各地で大繁殖する。急速に成長するため、在来種の生育を妨げ、生態系を破壊する厄介ものとなった。 〈イタドリは異国の風景の中でどんな表情をしているのか? イタドリがヨーロッパに辿り着いたのはいつなのか? どうやって大海原を超
2017/03/10 リンク