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太平洋戦争のさなか、「偽札」を運ぶ列車が日本にあった
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太平洋戦争のさなか、「偽札」を運ぶ列車が日本にあった
終戦記念日は、戦争について思いを馳せる日だ。敵国の内政を混乱させるには、経済を攪乱することが効果... 終戦記念日は、戦争について思いを馳せる日だ。敵国の内政を混乱させるには、経済を攪乱することが効果的だった。第2次世界大戦中、ナチスドイツがイギリスのポンド紙幣を大量に偽造したことは有名だ。が、同時期、日本でも同様に、秘密の国家プロジェクトとして外国紙幣を偽造していたことを知る人は、さほど多くないのではないか。偽造された紙幣は、鉄道を使って港町へ運ばれ、上海を起点に中国じゅうにばらまかれた。鉄道を利用した偽札運搬ミッションを、ライターの小川裕夫氏が追った。 * * * 日本でもっとも忙しい駅・新宿駅から小田急線に揺られること約30分。生田駅に到着する。各駅停車しか停まらない同駅は、明治大学生田キャンパスの最寄駅として、平日は多くの学生が利用している。 駅から生田キャンパスまでは、線路沿い歩いて約10分。小高い丘の上に、いくつもの校舎が並ぶ。学生たちの喧騒を掻き分けながらキャンパス内を奥に進む