【「戦後日本」を診る 思想家の言葉】網野善彦 中世に資本主義の源流見いだす（1/5ページ） - 産経ニュース

□東日本国際大・先崎彰容教授 はにかみながら、学者になりたい、そう口走ったことがある。高校時代のことだ。その時、恩師が私にいった言葉が忘れられない－「学者になるなら、教科書に載るような研究をしなさい」と。 私はいまだに、恩師との約束を果たしていない。この先できるか、心もとない。だが世の中には、本当にスケールの大きい学者がいる、それを見分けられるようにはなった。毀誉褒貶（きよほうへん）に曝（さら）されるに足る、骨太の物の見方を提示する学者がいる。メッセージは強烈で、時代の診方（みかた）を変えてしまう。そのとき学者は「思想家」へと変貌するのだ。 網野善彦が『中世荘園の様相』で頭角を現したのは昭和４１年のことだった。三島由紀夫が『英霊の聲（こえ）』を書いて、天皇へ傾斜を深めて行く時期とそれは重なる。時代は４３年の、いわゆる「全共闘革命」前夜だった。

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産経が網野善彦を取り上げると網野史学が汚されるような気がする。