【田村秀男のお金は知っている】Ｇ７サミット後に円高進行のわけ リーマン・ショック後と同じコースに

フランスでの主要７カ国首脳会議（Ｇ７サミット）は２６日、恒例の包括的な首脳宣言なしで閉幕した。一部のメディアは「Ｇ７覆う自国第一主義 協調崩れた１９３０年代を想起」（２７日付日本経済新聞朝刊１面トップ）などと、まるで大恐慌時代が来るかのように大騒ぎだ。首脳宣言なんてしょせんは参加国官僚合作の英作文に過ぎない。金科玉条のごとく扱うのは、Ｇ７の中でも日本の外務省とメディアくらいのものだ。 「自国第一主義」とは主にトランプ米大統領による対中貿易制裁のことで、他にも英国の欧州連合（ＥＵ）からの離脱（ブレグジット）も含まれる。自国の思惑ばかり先行して、国際協調に背を向けると世界経済が壊れると警告しているわけだが、これまた何とも面妖な。 自国の国益をないがしろにするような「国際経済協調」なんてそもそもありえない。米国の場合、トランプ氏に限らず歴代首脳は自国都合最優先だ。１９８５年９月のドル高是正、円高