＜社説＞日野自動車不正 失ったものは大きい：東京新聞 TOKYO Web

前代未聞の異常事態だ。トヨタ自動車グループの商用車大手、日野自動車で、中、大型トラックに続き、小型トラックのエンジンでも不正があったことが国土交通省の指摘により明らかとなった。これにより同社は、国内で生産するほぼ全車種の出荷ができなくなった。出荷再開は見通せず、今年創業八十年を迎える老舗ブランドへの信頼は風前のともしびだ。 三月にエンジンの燃費や排ガス性能を偽っていたことを公表したが、八月初めには、さらに不正が広がっていたことを、弁護士ら外部の調査委員会が指摘した。 不正は少なくとも二十年以上前から続いていた。さらに、二〇一六年の三菱自動車の検査不正を受け、国交省が実施した調査に対して、日野が「不正はない」と虚偽の報告をしていたことも分かった。そして今回、小型トラックのエンジンにも及び、不正は全エンジンで行われていたことになる。 調査委の報告書からは、役員ら幹部の無理な注文に担当者が異を唱