「事故当初、過度に楽観的なイメージを描き続けた」…住民に混乱招いた広報の反省を当時の技術者が語った：東京新聞デジタル

スリーマイル島原発の運営会社の監督官だったディック・デュビエル（74）は1979年3月28日早朝、2号機の緊急停止の一報を受けて現場に駆けつけた。原子炉の状況を把握するため試験室で冷却水のサンプルを調べていると、背後の設備室の放射線モニターが警報を発したのが聞こえた。施錠されていた設備室には入れなかったが、手持ちの装置で放射線量を測ると、普段は1時間に2ミリレム程度の線量が500倍の1000ミリレムに跳ね上がっていた。「大きな問題が起きた」と悟った。 米政府の監督機関である原子力規制委員会（NRC）によると、2号機では当時、機器の故障と運転員の操作ミスにより原子炉の圧力弁から冷却水が水蒸気となって漏出。水は隣接する補助建屋にたまり、放射性物質が放出されていた。 しかし、事故の発生時は原因など分からない。デュビエルは制御室に連絡し、緊急事態を宣言。サイレンが鳴り響き、職員を放射線管理区域から