【日本の解き方】植田日銀総裁の「奇妙な発言」 為替レート変更を目的とした金融政策の危うい側面 気がかりなインフレ目標達成の是非（1/2ページ）

日銀は２２日の金融政策決定会合で、短期金利をマイナスにし、長期金利をゼロ％程度に抑えるいまの大規模な金融緩和策を維持することを決めた。 今回は「経済・物価情勢の展望」（展望リポート）公表がない会合だったので、基本的には日銀が物価見通しの修正を行えない。このため、金融政策も修正・変更をなかなか行いにくい。７月の前回会合でイールドカーブ・コントロール（ＹＣＣ、長短金利操作）の運用の柔軟化を決めたばかりなので、その意味でも、今回大きな政策変更はないと思われていたという事情もある。 こうした中、植田和男総裁は記者会見で、ＹＣＣやマイナス金利政策を終了する条件について問われた。今の金融政策は、「１日」と「１０年」の２点のところで金利をピン留めしている。１日のところの金利がマイナス金利政策、１０年のところの金利がＹＣＣだ。 この金融政策を変更する可能性について植田総裁は「ＹＣＣに関して現在のフォワード