東レの炭素繊維は「競合に大差」、水素はサプライチェーン全部をカバー

かつての繊維産業の雄だった東洋レーヨン（1970年に東レに改称）は今では、航空機や自動車の主要部材を提供する炭素繊維事業、数億人の生活用水を提供する水処理事業、そして最近は半導体製造技術や水素関連事業でも時代の最先端を先導する会社になった。50年かけて成功させた炭素繊維事業に代表される、長期的展望の下での研究開発でも知られる東レが考える、次の成長分野と同社の技術開発の方向性について聞いた。（聞き手は野澤 哲生＝日経クロステック/日経エレクトロニクス） 10年後の社会はどのようになっているとお考えですか。 東レグループは2050年の世界をイメージした「サステナビリティ・ビジョン」を企業ビジョンとして定義して、Webサイトなどで示しています。将来の社会を予測するよりも、こういう社会にしたい、こういう社会を実現するために我々は事業活動をやるんだというものです。 大きく4つの世界から成っていて、1

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