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ガザ 貧困と絶望が支配する街
一家は地べたで暮らしていた。父親は「赤ん坊のミルクを買う金もないよ」(18日、アル・アトゥラ村で。... 一家は地べたで暮らしていた。父親は「赤ん坊のミルクを買う金もないよ」(18日、アル・アトゥラ村で。写真:筆者撮影) ガザの子供たちは一様に小さい。「8~9歳位かな?」と思って年齢を聞くと「12歳」などという答えが返ってくる。イスラエルによる経済封鎖が長く続くため幼児の頃から満足に食事ができないからである。WHO(世界保健機構)によると5歳以下の子供の3分の1が貧血だ。 子供たちの多くは戦争で父親や長兄を失っている。健在であったとしても職がない。パンを買う現金に事欠く境遇なのである。 激戦地だったガザ北部のアル・アトゥラ村のある家族のテントを覗いた。一家10人が地べたで暮らす。生活排水が地面に染み込んでいて腐臭が鼻をつく。その日のランチは卵一個きりだった。おかずが卵一個というのではない。ランチで口に入れるのが卵一個なのである。 父親のサーレ・アブレラさん(52歳)は「行く所はどこにもない。あ