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デニム中毒者のたわごと:レアな村上春樹さん その127
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デニム中毒者のたわごと:レアな村上春樹さん その127
「我々はどこにもいけない」。ほとんど絶望的といっていい孤独な言葉を村上春樹は『回転木馬のデッド・... 「我々はどこにもいけない」。ほとんど絶望的といっていい孤独な言葉を村上春樹は『回転木馬のデッド・ヒート』の冒頭で実にあっさりとまるで他人事のように使った。その同じ言葉を三年後に彼は『ダンス・ダンス・ダンス』でまた繰返した。「隅から隅まで網が張られている。網の外にはまた別の網がある。何処にも行けない」。「どこにも行けない」。同じ言葉が三年後にまた繰返される。疲労はより濃い。空虚はより拡がっている。私たちはシステムにとらわれてしまっている。私たちにシステムを選ぶことはもうできない。システムが私たちを選ぶ。 しかし――、本当にそうなのか。私たちは本当にそんなにもクールにシステムを受け入れることができるのか。「物哀しい風景」にそんなにもハードボイルドに対することができるのか。ヘミングウェイふうにいえば「昼はハードボイルドだが夜はそうはいかない」のではないか。 村上春樹自身も世界の不条理に対してスト