文学を拡張せよ：濱野智史さんによる書評 | PLANETS／宇野常寛 第二次惑星開発委員会

宇野常寛が本書で論じているのは、おおよそ次のようなことである。冷戦終結後、経済のグローバル化と情報ネットワークの浸透が進んだいま、かつてオーウェルが『１９８４年』で描いた「ビッグ・ブラザー」の問題――イデオロギー装置としての国民国家――は完全に退潮した。それにかわって台頭しているのは、民主主義／資本主義社会の日常に巣食う、無数に蠢く匿名的な悪としての「リトル・ピープル」である。宇野の見立てによれば、村上春樹は『１Ｑ８４』の中でこの問題を描こうとしたが、それは結局のところ「父」をめぐる【家族小説／ファミリーロマンス】の水準に留まり、全く別の『平成「仮面ライダー」』シリーズこそが、この「リトル・ピープル」の存在に肉薄する文学的想像力を展開していたというのである。 こうした宇野の見立ては、村上春樹と仮面ライダーというあまりにもかけ離れた二つを組み合わせているために、実に壮大奔放な試みに見える。し

[fumimotata]

《「大きな物語の崩壊」（リオタール）を唱えるポストモダン論の枠組み》《宇野の主張は、ネグリ＝ハートの(…)議論と、形式的にはほぼ同型》 ネグリは大きな物語は終わっていないとはっきりと言っているわけだが。

[takahiro_kihara]

うーん、ワカラン。

[SasakiTakahiro]

かつて文学が持ち得た「異化」の力を受け継ぎ、〈拡張〉すること。宇野が切り拓いてみせた批評のあり方。

[eal]

"「選抜総選挙」のように、それは経済（市場）と政治（選挙）という異質なシステムをハイブリッドにつなぐことで、アイドルとファンの関係性をオープンに直結させ、「開かれたポピュリズム」とでもいうべき熱狂状態"

[frivolousman]

「大きな物語の崩壊」を否定する奴はいないだろ。それより根幹である「リトル」ピープルの概念が「ビック」ブラザーに対応させようとして曖昧で意味不明。「クラウド」とか明快な用語を使えばいいのに

[kachihaya]

カーニヴァルに参加させることで常に当事者意識を忘れないようにさせるってことかな。