（人質事件とメディア）苦しむ人の痛み想像できるか：朝日新聞デジタル

中東でパレスチナ・イスラエル問題の取材を３０年近く続けています。フリージャーナリストの役割の一つは、組織ジャーナリストが入れない地域にも入って被害者たちの現状と痛みを伝えることだと思います。人質となり殺害されたとみられる後藤健二さんも同じ思いだったはずです。 だからこの間、テレビも新聞も日本人の生死に関する報道で埋め尽くされたことに、私は強い違和感を覚えます。過去にも紛争地で日本人が巻き込まれるたびに似た報道が繰り返されました。２００４年にイラクで高遠菜穂子さんらが人質となり、０７年にはビルマ（現ミャンマー）の民衆デモを取材していた長井健司さん、１２年にはシリアを取材中の山本美香さんが殺され、メディアはその報道一色になりました。 同じ日本人の生死に関心が集まるのは当然だとしても、報道がそれで埋め尽くされると、肝心の現地の実情が伝えられなくなります。例えば長井さんが亡くなったとき、その葬儀が

[sarutoru]

“「あなたと同じ人間がこういう状況に置かれている。苦しんでいる。もしそれがあなただったら」と想像してもらう素材を人々の前に差し出すためです”

[h_A_l]

（人質事件とメディア）苦しむ人の痛み想像できるか：朝日新聞デジタル ”同じ日本人の生死に関心が集まるのは当然だとしても、報道がそれで埋め尽くされると、肝心の現地の実情が伝えられなくなります…略…ビルマ