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「角巻ものがたり」そりと角巻:北海道人
冬の日、雪の中を、母の角巻(かくまき)のなかに入って、一緒に歩いた思い出がある。 すっぽりと角巻に... 冬の日、雪の中を、母の角巻(かくまき)のなかに入って、一緒に歩いた思い出がある。 すっぽりと角巻に包まれると、心はほかほかと暖かかった。 「角巻」と聞いて、すぐにそれが何かわかる世代は、少なくとも40~50代以上だろうか。試しに30代以下の女性たちに聞いてみたが、ほぼ全滅だった。 角巻は、かつて寒い冬に、女性たちが外出するときに身にまとった防寒着である。 大きめの四角い毛織物で、三角に折って背中から羽織るように着た。ショールとも違う、すっぽりと体が入るくらいの大きさで、色は茶や赤、紺などさまざま。四角形のふちには房があり、歩くとさらさら揺れた。 この角巻は、明治時代にあらわれ、昭和30年代には姿を消す。北海道だけの風俗ではなく、東北地方や北陸地方など、北国に広くひろがった冬の風物詩だった。 角巻はどこからきて、どこへ行ったのか。 わたしたちの冬の思い出のなかに根づいた角巻のものがたりを追っ
2017/01/09 リンク