河北新報 東北のニュース／防護服越し犠牲者悼む 福島・浪江

防護服越し犠牲者悼む 福島・浪江 防護服を着て焼香し、犠牲者の冥福を祈る参加住民＝２６日午前、福島県浪江町請戸 福島第１原発事故で警戒区域に指定された福島県浪江町の沿岸部で２６日、津波の犠牲者を悼む式が行われた。 参加者は３１世帯の５２人で津波で家を流され、家族らが行方不明になった。一時帰宅に合わせ、防護服姿で出席。海岸から数百メートルの請戸、棚塩、両竹の各地区に焼香台が設けられ、防護服の上にけさを着た僧侶が読経する中、焼香して手を合わせた。 焼香台の周辺はがれきが残されている。原発事故で立ち入り禁止になり、撤去作業は行われていない。 無職安斎政夫さん（７０）は近くに住むいとこの末永美代子さん（６４）が亡くなった。「自宅も流されたが、焼香して区切りがついた。あとは前を向いて進む」と話した。 県災害対策本部によると、浪江町では２５日現在、５０人が死亡、１３４人が行方不明になっている。

[SasakiTakahiro]

防護服の上にけさを着た僧侶が読経する中、焼香して手を合わせた。焼香台の周辺はがれきが残されている。