書評 : コロナ危機が示唆するリーダーのあり方／『コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿』

書評 : コロナ危機が示唆するリーダーのあり方〜『コロナ対策 各国リーダーたちの通信簿』 田仲典子 ＜栗田路子、プラド夏樹、田口理穂、冨久岡ナヲ、片瀬ケイ、クローディアー真理、田中ティナ共著、光文社新書、2021年1月、1,040円＞ 目まぐるしく変化する新型コロナウイルスのパンデミックと世界情勢の中で、この書評も三度にわたり、書き換えなければならなかった。2020年11月の米大統領選を経て、トランプ前大統領が去り、バイデン政権がほぼ180度の政策転換へと舵を切った。昨年末以降、アルファ株やデルタ株などの変異ウイルスが世界各地で猛威を振るい始めた。パンデミックを解決する唯一の決定打と思われたワクチン供給も、富裕国では接種が進む一方で、貧困国には分配されないといった“ワクチン格差”など、いまだ収束の兆しが見えることがない。 そこへ来て、7月の東京五輪開催である。日本全国の新規感染確認者数が、