長崎新聞ホームページ：【県内トピックス】１００年以上続く活版印刷 （10月15日）

１００年以上続く活版印刷 インク独特の匂いに包まれた作業所には多数の活字が並ぶ＝小値賀町笛吹郷 インク独特の匂いに包まれた作業所の棚に、漢字やかな、記号など、鉛でできた多くの活字がある。 北松小値賀町笛吹郷にある島唯一の印刷所「晋弘舎（しんこうしゃ）活版印刷」。一つ一つ活字を拾い、組み込む。すべて手作業だ。 町営船の乗船券や領収書など島内の印刷物を主に作成。独特な風合いを求め、島外から名刺などの注文も増加。完成まで数カ月かかることもある。 ４代目として修業中の横山桃子さん（２５）。岡山県立大デザイン学部で活版印刷の基礎を学び、その魅力を実感。３年前に島に戻り、父親で３代目の弘藏さん（６１）の指導を受け、１００年以上受け継がれた伝統と技術を守り続けている。 「活字が多すぎて探すのに時間がかかる。部首が分かりにくいと、父からヒントをもらわないと見つけられない」と苦笑い。うまく印刷でき