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目黒行人坂
□ 目黒といえば目黒通りの権之助坂が有名だが、この繁華街の他に「行人坂」という、JR山手線目黒 駅か... □ 目黒といえば目黒通りの権之助坂が有名だが、この繁華街の他に「行人坂」という、JR山手線目黒 駅から結婚式場の雅叙園前へ下りる急坂がある。元和とも寛永年間(1624~44)ともいい、奥州の出 羽三山の一つ湯殿山の修験僧大海法印が、坂を切り開いて大日如来を祭ったのが始まりと伝える。 数多の修験僧が出入りし、この坂を歩いたことから、誰いうともなく行人坂と呼ばれた。 □ この急坂の途中に大圓寺があり、明和九年(1772)二月末、ここから出火して強風にあおられ、芝から 千住、本郷から日本橋へと江戸市中を焼きつくし、死者一万四千七百人、明暦の振袖火事以来の 大火となった。そのとき大圓寺の仏像は坂の下を流れる目黒川に沈めて無事であったという。 六月に熊谷無宿の坊主真秀がこの火事の放火犯として、小塚原で火刑になった。 □ この年、明和九年は「めいわく」という年号が悪いとして「安永」と改元されたが、