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猫之妙術
「猫之妙術」 たぶん、武術をやっているかたは誰でも知っている江戸時代の武術の教科書。私はNHKの人... 「猫之妙術」 たぶん、武術をやっているかたは誰でも知っている江戸時代の武術の教科書。私はNHKの人間講座「古の武術」に学ぶ(甲野善紀)で知った。人が何らかの道を志そうとする場合、その道に限らず様々な道に対しても役立つ教えであるような気がする。 以下、その原文。(現代文などはNHKのテキストをみるとよい。) 勝軒といふ剣術者あり。其家に大なる鼠出て、白昼にかけまはりける。亭主其間をたてきり、手飼の猫に執らしめんとす。彼鼠進て、猫のつらへ飛びかかり、喰付ければ、猫声を立て逃去りぬ。此分にては叶まじとて、それより近辺にて、逸物の名を得たる猫ども、あまたかりよせ、彼一間へ追入ければ、鼠は床のすみにすまゐ居て、猫来れば飛びかかり喰付、其けしきすさまじく見へければ、猫どもみなしりごみして進まず。亭主腹をたて、みづから木刀を提打殺さんと追まはしけれ共、手もとよりぬけ出て、木刀にあたらず、そこら戸障子から