「石綿で労災死」認めず 名古屋地裁 : 中部発 : 読売新聞（YOMIURI ONLINE）

愛知淑徳学園（名古屋市千種区）の教諭だった宇田川 暁 （ さとる ） さん（当時６４歳）が中皮腫などで死亡したのは、校舎のアスベスト（石綿）が原因の労災だとして、遺族が国に労災を不認定とした処分取り消しを求めた訴訟で、名古屋地裁（寺本昌広裁判長）は１６日、遺族の請求を棄却する判決を言い渡した。 判決は、校舎の一部にアスベストが使われていたと認める一方、宇田川さんがアスベストを吸い込む恐れなどがある環境で勤務した期間は８か月程度だったとし、「労災認定の基準である１年以上の 曝露 （ ばくろ ） があったとまでは認められない」と結論づけた。 宇田川さんは１９６１年から、他校に勤務した６年間を除いて同学園で国語を教えていたが、肺がんや中皮腫を発症し、在職中の２００１年に死亡。遺族は０６年、名古屋東労働基準監督署に労災認定を申請したが、同労基署は「業務により発症したとはいえない」として労災と認めな