〈下〉重すぎる負の遺産 : 山田町NPO事件 : 企画・連載 : 岩手 : 地域 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）

法人の現地団体が拠点として使っていた施設の内部。団体の隊長だった岡田容疑者の統率方針が掲げられていた（昨年１月７日、山田町で） 「被災者の雇用確保のために無理やり仕事をひねり出していた」 山田町の水産加工会社の男性専務（４５）は、緊急雇用創出事業のあり方に疑問を感じていた。 東日本大震災の津波で被災し、会社は２０１１年１０月に営業を再開したが、従業員の集まらない状態が続く。会社は同事業を受託していない。 同事業を受託していたＮＰＯ法人「大雪りばぁねっと」（北海道旭川市、破産手続き中）は違った。従業員は約１４０人にまで膨らんだ。元従業員によると、一部の幹部の給料は、役職手当も付いて月に４０～５０万円。仮設住宅への配食や無料浴場の運営などをしていた他の従業員も平均月給は約１８万円だった。 ハローワークによると、宮古市や山田町など宮古地区４市町村の１か月の平均賃金（昨年１２月）は１７万５０００円