「ハウル」原作者 ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんに聞く―前編 : １００人のジブリ : ジブリをいっぱい : エンタメ : YOMIURI ONLINE（読売新聞）

――女性を主人公し始めたのは「九年目の魔法」からだと思いますが、何かきっかけがあったのですか。 ジョーンズ 物語というのは、方向性を決めると勝手に歩き始めてしまうものです。いつも女性を主人公にしようと決めているわけではありませんが、一度女性の視点で書き始めてしまうと方向転換できなくなります。 ――女性と男性のどちらの視点で書き始めることが多いですか。 ジョーンズ 自分が女性ですから、女性の視点の方が書きやすいのは確かです。ただ、私の家は男系なので、少しは男性のことを分かっているかも知れませんね。 ――女性を主人公にしたのは、昔から多くの物語が男性を主人公にしてきたことへの反発もありますか。 ジョーンズ ファンタジーを書き始めた頃は、男性を主人公にしていました。かつては女性が主人公だとなかなか読んでもらえませんでしたし、児童文学にはたくさんの偏見や決まりがありましたから。例えば、子どもが義父