列車も家も津波に流され、涙の少年「父死んだ」 : 社会 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）

津波で線路から押し流され、家屋に突っ込んだように無残な姿をさらしていた 列車は、車輪がすべて線路から外れ、２両は直角に折れ曲がり、がれきに埋もれている。列車の行き先は「仙台・あおば通」。運転席や客席に人の気配はなく、割れた窓ガラスからも何も見えない。 列車近くの山の茂みから、「体が悪く、高いところに避難したけど動けない。誰かを呼んでくれないでしょうか」と大きな声がした。親族の様子を見に来て津波に遭ったヘルパーの桜井ひとみさん（５２）は、「近くの家はすべて流された。行方不明や遺体で見つかった人もたくさんいる」と話した。 周辺の家屋は、１階部分が津波で損壊するなど、津波の威力を物語る。避難場所となっている野蒜小学校の時計は午後４時で止まっている。近くの住民らが次々と集まってくる。 「家が津波で押し流され、父親が死んだ。家の横で見つかった」。涙を浮かべ、小学校に駆け込んでくる少年の姿もあった。小