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ブックマーク / gendai.media (146)

  • すべて妻の責任…被害者ヅラする男たちの「信じられない言い訳」(信田 さよ子)

    DVの知られざる現実 カウンセラーとして長年生きてくると、現場で当たり前と思っていることを研究者やメディアのひとに話したとき、「え~っ」とのけぞられることがある。そのことに驚き、改めて自分が仕事をしている世界と世間の常識との落差を認識させられるのだ。 たとえば、DV被害者支援と虐待防止の専門家とのあいだにはほとんど交流がなく、ときには対立することもあるという事実だ。 背景には縦割り行政の弊害もあるが、DV被害者支援の源流がフェミニストたちの運動にあり、いっぽうで虐待防止運動はヒューマニズムや母性中心主義であることが、現場での齟齬につながっている。 これは日だけの問題ではなく、北米やオーストラリアでも過去にそんな時代があったが、専門家たちが努力してそれを乗り越えてきたという歴史がある。 千葉県野田市(2019年)や東京都目黒区(2018年)で起きた不幸な虐待死事件は、DVと虐待が同時に起き

    すべて妻の責任…被害者ヅラする男たちの「信じられない言い訳」(信田 さよ子)
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    facebooook 2021/03/28
    “自分の人生を自分で選べるという幻想は、弱者にとって過酷”
  • 緊急事態宣言、“解除前夜”に最前線の専門家がどうしても伝えたかった“ある”メッセージ(西浦 博) @gendai_biz

    では特別措置法に基づく2度目の緊急事態宣言が年明けの1月8日に発出された。首都圏の1都3県ではそれが2度延長されたが、現在は感染者数の減少速度が少しずつ緩慢になり苦闘している状態である。また病床の占有率の減少も同様で、その中で英国株を中心に変異株感染者の増加が認められている。宣言下で感染者数が下がり切らない中、菅首相は期日となっている21日で宣言を解除することを表明した。 同じ“轍”は踏みたくない… 今、思い出されるのは去年の3月のことだ。月後半の3連休で人出がどっと増え、感染者数の増加につながっていった。私はその連休の直前だった19日、国の「専門家会議」の発表でのことを今も後悔している。当時は北海道の感染者数の動向が注視されており、会議では「北海道では一定程度、新規感染者の増加が抑えられていることを示している」とした。この時、世の中には緩和ムードが短期的に生じていた。 一方で、これか

    緊急事態宣言、“解除前夜”に最前線の専門家がどうしても伝えたかった“ある”メッセージ(西浦 博) @gendai_biz
  • レギュラー146円超え…「ガソリン価格」がここへきて高騰している「本当の理由」(加谷 珪一) @gendai_biz

    ガソリン価格の上昇が止まらない。背景にはポストコロナを見据えた景気回復期待と、それを見越した産油国の価格戦略(減産)という供給要因がある。一方、ポストコロナ社会は脱炭素社会でもあり、全世界的に石油の需要が大幅に減ると予想されている。石油業界は需要が減る中、利益を維持するためには価格を上げざるを得ない。 脱炭素時代は石油が余っているにもかかわらず、ガソリン価格が高く推移するという皮肉な事態となる可能性もある。 需供の両面で価格が上がりやすい状況 資源エネルギー庁が発表した、3月8日時点におけるレギュラーガソリンの全国小売り平均価格(1リットルあたり)は146円10銭と15週連続の値上がりとなった。2月1日時点では139円30銭だったので、約1カ月で4.9%も値上がりしている。価格上昇の直接的な要因は石油元売り各社が卸値を引き上げたことだが、その背景には国際的な原油市場の動きがある。 原油に限

    レギュラー146円超え…「ガソリン価格」がここへきて高騰している「本当の理由」(加谷 珪一) @gendai_biz
  • 世の中は「クソどうでもいい仕事」で溢れている…コロナ禍で気づいてしまった人たち(週刊現代) @moneygendai

    自分の仕事には意味がない。世のため人のためにもなっていない。コロナ禍の中で、そんな事実にふと気づいてしまった人たちがいる。見渡せば、世間はそんな「クソどうでもいい仕事」ばかりで……。 どうでもいい管理職 こんな仕事のどこに意味があるんだ。なぜこんな無駄なことをしているんだ……。コロナ禍は、ある種の人々に、そんな残酷な真実を突き付けてしまった。 「管理職としての私の主な業務は、週3回ある会議に出席し、販売関係のデータを部下から集めて各部門に商品の売れ行きなどを通達、助言を行うというものです。自分ではマーケティングの最前線で指揮を執っているつもりでしたが、単なる思い込みに過ぎなかった」 そう語るのは千葉県在住で大手飲料メーカー社員の富田健太さん(仮名・50代)である。 「コロナ禍によって定例の会議がなくなってしまった。すると、販売データやその分析などは各部門長が部下の担当者とオンラインで直接や

    世の中は「クソどうでもいい仕事」で溢れている…コロナ禍で気づいてしまった人たち(週刊現代) @moneygendai
  • JTBと毎日新聞が踏み切った「減資」という選択…それは「税逃れ」なのか?(週刊現代) @gendai_biz

    ルールの穴を突けば、大企業は「中小企業」の看板を掲げるだけで、税制上の優遇を受けられる。もちろん、経営の実態は変わらないまま……。いくら苦しい状況でも、ちょっとずるくありませんか?発売中の『週刊現代』が特集する。 「ドン」の釈明 「僕が社長でも、会社を守るためだったら、『減資』はやりますよ。再び旅行をしてもらえる日が来るまで、生き残るためには、なんだってやる」 「旅行業界のドン」とも称されるJTBの前会長・田川博己氏は、誌の直撃に対してこう語った。 2月23日に発表されたとおり、同社は資金を23億400万円から1億円に減資する。その背景について尋ねると、田川氏は苦渋の表情で、こう釈明した。 「我々旅行業界は、オイルショックでもリーマンショックでも、国の支援を一切受けずに堪えてきた。ところが、コロナ禍では、旅行の需要が完全に蒸発してしまった。このままでは業界は壊滅します。未曽有の危機なん

    JTBと毎日新聞が踏み切った「減資」という選択…それは「税逃れ」なのか?(週刊現代) @gendai_biz
  • なぜナチズムは「国家社会主義」ではなく「国民社会主義」と訳すべきなのか(小野寺 拓也) @gendai_biz

    「国民」か「国家」か ナチズム研究者として、長年悩んでいることがある。 ナチズム(ドイツ語ではNationalsozialismus)の訳語として「国民社会主義」がなかなか社会に定着しない、ということだ。 手元には山川出版社、東京書籍、帝国書院、実教出版の高校世界史B教科書があるが、ナチ党の訳語はいずれも「国民社会主義ドイツ労働者党」となっている(山川出版社だけは「国民(国家)社会主義」表記)。 つまり、高校教育では「国民社会主義」がほぼ定着しているのだが、それ以外では「国家社会主義」という訳語を目にすることが依然として多い。 ウィキペディア、NHKのドキュメンタリー番組、各種辞典類などなど。ナチに関する邦訳書を見ても、「国民」と「国家」が半々といったところかもしれない。 「国民」か「国家」か。 この言葉の元となっているドイツ語はNationである。 独和辞典としてもっとも定評のある小学館

    なぜナチズムは「国家社会主義」ではなく「国民社会主義」と訳すべきなのか(小野寺 拓也) @gendai_biz
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    facebooook 2021/03/14
    「全体主義論でソ連共産主義と一括りにしたいという反共的な思惑とともに、「国家」責任のみ追及して「国民」責任を問おうとしない心性が見えかくれ」佐藤卓己『ファシスト的公共性―総力戦体制のメディア学』
  • 歴史学者・呉座勇一が深く探究「北条義時は何をしたのか?」(呉座 勇一)

    2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の主人公は北条義時である。ドラマで彼がどう描かれるかはさておき、歴史学の立場からの評価を解説しておきたい。 教科書的には「北条政子の弟で、承久の乱の時の鎌倉幕府執権」といったところだろう。しかし私に言わせれば、北条義時は「鎌倉幕府、ひいては武家政治を完成させた男」である。 「イイクニ」ではなく「イイハコ」? 北条義時が鎌倉幕府を完成させた男だと述べたが、そもそも鎌倉幕府はいつ成立したのだろうか。 年配の方なら「いい国(1192)つくろう鎌倉幕府」という語呂合わせを覚えたのではないだろうか。少し歴史に詳しい人なら「最近はイイクニではなくイイハコ(1185)に変わった」と言うかもしれない。 1192年とは、源頼朝が征夷大将軍に任官した年のことである。通常、幕府のトップは征夷大将軍であるから、この年に幕府が成立した、という説は分からないでもない。だが

    歴史学者・呉座勇一が深く探究「北条義時は何をしたのか?」(呉座 勇一)
  • 呉座勇一の直言「再論・俗流歴史本-井沢元彦氏の反論に接して」(呉座 勇一)

    以前、私は現代ビジネスで、作家の井沢元彦氏が歴史学界を「専門バカ」と誹謗中傷しつつ、根拠の乏しい自説を「歴史ノンフィクション」と銘打って発表していることを批判し、氏の「仮説」の問題点を具体的に指摘した。 「俗流歴史」の何が問題か、歴史学者・呉座勇一が語る井沢元彦氏の批判に答えて(2019.06.13) これに対し井沢氏は今月の新刊『逆説の日史25 明治風雲編』(小学館、以下『逆説』と略記する)で反論を行った。井沢氏は私にわざわざ上記のを送って下さったので、氏の反論にお答えしようと思う。それによって、「俗流歴史」に共通する問題点が浮かび上がるはずだ。 井沢氏の反論は多岐にわたるが、最大の論点は氏の「ケガレ忌避のための首都移転」説(以下、「ケガレ移転説」と略記する)の是非である。 井沢氏によれば、古代においては天皇一代ごとに首都が移転していたという。 そして井沢氏は、「首都移転を繰り返

    呉座勇一の直言「再論・俗流歴史本-井沢元彦氏の反論に接して」(呉座 勇一)
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    facebooook 2021/02/13
    “「史料がないので結論は出せない」というのが歴史学の基本的な態度。史料を読み解き、そこから類推するのが歴史学者のやり方”  苟も(いやしくも)
  • 正しくないものを絶対許さない人々と国家…これは「日本の近未来」なのか(石戸 諭) @gendai_biz

    桐野夏生の新作『日没』は、時代と激しく摩擦する一冊である。舞台はおそらく近未来の表現が「不自由」になってしまった日、主人公は女性エンタメ作家、彼女が「総務省文化局・文化文芸倫理向上委員会」(ブンリン)から召喚状を受け、携帯電話すら通じない作家収容所に入れられ“療養”が始まる……。 それだけを記すと、権力との対峙を描いた社会派小説だと思うかもしれない。しかし、この小説の真価は「対峙」にはない。全篇を通して鋭く問われるのは、誰が表現を不自由にしていくのか、誰が、綺麗で、正しく、美しい言葉だけが広がる社会を欲望しているのか、である。果たして、その答えは――。 現実が小説に追いついてきた 《最初に作家の収容所という構想を思いつきました。そこから収容所や全体主義を描いた小説を読んだり、資料を集めたりしていました。連載は2016年から始まりましたが、そのときから時代に追いつかれているかもしれないと思

    正しくないものを絶対許さない人々と国家…これは「日本の近未来」なのか(石戸 諭) @gendai_biz
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    facebooook 2021/01/30
    “その入り口は、もしかしたら行き過ぎたポリティカル・コレクトネスを求める声かもしれません。権力も社会もすべて差別を利用して、正しい表現を求めるかもしれない。”
  • 世界に広がる「“弱者の大義”に憤る人々」とどう向き合うか(望月 優大) @gendai_biz

    「“弱者の大義”に対する憤り」とも言うべき現象が世界中に広がっている。巷ではポピュリズムが広がっているとも言われるが、その多くがこの憤りを養分にしている。 つまり、この憤りへの向き合い方を考えなければ、ポピュリズムにしろ社会的な分断にしろ正しく対処することができないのではないか。対処の方法を誤れば、対立の火に油を注ぐことにもなってしまうかもしれない。 アメリカ、ヨーロッパ、日。世界のいたるところで、人々はこんな風に憤る。 なぜ自分たちの生活を犠牲にしてまで難民や外国人、あるいは貧乏人や様々なマイノリティを保護しなければいけないのか。 世の中は「弱者」や「少数派」に対して過剰に配慮しすぎており、それによって自分たちが来受けるべき正当な配慮や承認が妨げられているのではないか。 「公正」や「正義」を語る少数派や人権派、あるいは外国人たちによってこそ、我々が正しく享受すべき「公正」が歪められて

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  • トランプ時代終焉、コロナ感染爆発…多くの人が知らない「不寛容」の正体(森本 あんり) @gendai_biz

    不寛容の時代である。コロナ感染の爆発的な流行で、とげとげしい非難の声が街に満ちるようになった。単に不寛容であるというだけではなく、それを隠すそぶりも見せず、むしろ不寛容なことが自分の権利の一部であるかのように言い募る人もある。ストレスを抱えた社会は、右や左といった立場の違いにかかわりなく、不寛容の相貌をそこかしこで露わにする。 昨年末に『不寛容論』(新潮選書)を出版した。意外なことに、寛容を論じたは多いが、不寛容を論じたは少ない。寛容はよいことで、不寛容は悪いことだ、と相場が決まっているからかもしれない。だが、寛容と不寛容は、それほどきっぱりと二つに分けられるものだろうか。 寛容より不寛容の理解を 不寛容を論じたのは、もちろん不寛容を勧めるためではない。むしろ、寛容の中に必ず含まれている不寛容の要素に光を当て、それを意識的に自覚することで、今の世の中で寛容を維持するにはどうしたらよいか

    トランプ時代終焉、コロナ感染爆発…多くの人が知らない「不寛容」の正体(森本 あんり) @gendai_biz
  • 日本政府はなぜ、どれだけ「病院」と「病床」を減らしてきたのか(伊藤 周平) @gendai_biz

    新型コロナウイルス(Covid-19)の感染拡大が、国民生活にも日経済にも大きな影響を及ぼし、医療など日の社会保障の脆弱さを可視化した。 何より、新型コロナの感染拡大地域では医療提供体制がひっ迫し、医療が機能不全に陥る「医療崩壊」が現実化した。病床や感染症治療を担う公的・公立病院や保健所を削減し、医師数を抑制してきた日の医療費抑制策のツケが回ってきたともいえる。 しかし、安倍政権は、医療崩壊に歯止めをかけるために十分な予算措置を取ることなく、事業者への「補償なき自粛要請」、医療現場や国民への「自助努力」の無理強いだけで全くの無策である。 稿では、医療費抑制策を中心としたこれまでの医療政策を検証し、新型コロナの感染拡大による医療崩壊の現状を概観したうえで、医療崩壊に歯止めをかける緊急提言を行う。 「指定医療機関」「感染症病床」の激減 医療崩壊が現実化した背景には、医療費抑制策を続けて

    日本政府はなぜ、どれだけ「病院」と「病床」を減らしてきたのか(伊藤 周平) @gendai_biz
  • 日本の支配エリートはコロナでもたない企業は潰れてよいと思っている(松尾 匡)

    この四半世紀にわたり追求されてきた政策の多くが、円高を背景とした国内産業の空洞化に帰結するものである​、と経済学者・松尾匡氏は分析します。政策を立てる人々は、コロナ禍で起こる個人商店・中小企業の淘汰さえも、産業構造の転換として歓迎しているのではないか――そう考えざるを得ないエリートたちの言動に警鐘を鳴らすのです。経済の視点から新しい左派を考えていきましょう。 第1回:私利私欲を度外視した公共的理性が、唯一無二の生命を犠牲にする 第2回:新自由主義による悲惨な現実を解決できるのは、左派ポピュリズムです 第3回:左派ポピュリズムが日で望まれ、「反緊縮」を装う新維新が躍進? 第4回:「高プロ」も愛国教育も、支配エリートの新「帝国主義」への布石か? ゾンビ企業は淘汰されればいい? 前回述べたのは、日の支配層は人口減少する日市場に見切りをつけて海外でもうける方向に舵を切っているということでした

    日本の支配エリートはコロナでもたない企業は潰れてよいと思っている(松尾 匡)
  • 赤トンボはなぜ赤い? 動物で初めて見つかった驚きのメカニズム(中川 隆夫,ブルーバックス編集部)

    夏の日差しが落ち着いて、田園に稲穂がたれる風景は、誰もがホッとする日の原風景だろう。赤トンボが優雅に飛ぶ姿を目にすると秋の訪れを感じるものだ。見るものの郷愁を誘うこの赤いトンボ、少なくなってきたとはいえ、都会でも水辺に行けば、見つけることはできる。 では、なぜあんなに鮮やかな赤い色をしているのだろうか。昆虫の赤色といえば、毒々しさを連想するが、赤トンボはのどかで平和な虫にしか見えない。そこで、トンボの研究者、産業技術総合研究所の生物共生進化機構研究グループの主任研究員・二橋亮さんを訪ねた。なんでも、動物界で初の体色変化を解明した人だというのだ。 赤トンボでも、赤いとは限らない 産業技術総合研究所には、工学や地質などの他に、生物を研究するグループがある。この探検隊にも、昆虫と細菌の共生を研究している深津武馬さんや、発光生物を研究している近江谷克裕さん、三谷恭雄さんに登場してもらった。今回は

    赤トンボはなぜ赤い? 動物で初めて見つかった驚きのメカニズム(中川 隆夫,ブルーバックス編集部)
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    facebooook 2020/08/27
    “色の違いには非常に敏感です。人には見えない紫外線も見えます。ところが、視力は弱い。視力とは空間の解像度です。人間の基準で言えば0.01くらい““時間の解像度が高い。つまり動体視力が人間の10倍は優れている“
  • なぜ能力の低い人ほど自分を「過大評価」するのか(池谷 裕二)

    「自分は平均以上」と勘違い 先日電車に乗っていたら、隣に中学生くらいの女の子が座っていました。かわいい子だったので、手元のスマートフォンを操作している振りをしながら、横目でチラチラと見ていました。 すると、あろうことか、彼女は席を立ってしまいました。 ジロジロ見過ぎてしまったことを反省しましたが、しかし、どうやら私の視線が気になって席を立ったわけではないようです。理由はすぐに明らかになりました。「どうぞ」と目の前のお年寄りに席を譲ったのです。 深く恥じ入りました。 気が利く、気が利かないとはなんでしょうか。 彼女は気が利く人です。一方、私は気が利かない人です。これは明らかです。でも、ここで問いたいのです(決して言い訳のためではなく)──気が利かない人は、その時、自分を「なんと気が利かない人間だ」と残念に感じているでしょうか。 きっと感じていないでしょう。なぜなら、そもそもそのお年寄りが困っ

    なぜ能力の低い人ほど自分を「過大評価」するのか(池谷 裕二)
  • 「マイルドな優生思想」が蔓延る日本に「安楽死」は百年早い(斎藤 環) @gendai_biz

    筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性から依頼を受け、医師が薬物を投与して殺害し逮捕された事件で、京都地検は事件に関わった2名の医師を8月13日、嘱託殺人罪で起訴した。報道によればALSの女性は以前から強く安楽死を希望しており、2018年12月にツイッターで被告の医師と知り合ってから、やりとりを重ねていたという。 医師の一人はクリニックを開業しており、メンタルケアや緩和ケアに力をいれ、ホスピスの運営も手掛けていた。2名の医師は、共著で高齢者の安楽死を積極的に推奨するような電子書籍(書名はあえて記さない)を発行していたが、このには以下のようなくだりがあると報じられている。 《認知症で家族を長年泣かせてきた老人、ギャンブルで借金を重ねてや子供を不幸に陥れた老人。そんな「今すぐ死んでほしい」といわれる老人を、証拠を残さず、共犯者もいらず、スコップや大掛かりな設備もなしに消せる方法がある。医療に紛

    「マイルドな優生思想」が蔓延る日本に「安楽死」は百年早い(斎藤 環) @gendai_biz
  • 中国への配慮で広告撤退…創刊者逮捕と経営苦で「民主派新聞」は生き残れるか(石井 大智) @gendai_biz

    黎智英氏逮捕と蘋果日報の行方 8月10日に香港国家安全維持法(国安法)違反で蘋果日報(アップルデイリー・りんご日報)の創刊者である黎智英(ジミー・ライ)氏が逮捕され、「メディアへの弾圧」として世界的に大きなニュースとなった。 その結果、蘋果日報は香港の民主派は多くの「応援」を受けたが、それは一時的なものであり、長期的に見ると紙の新聞としては厳しい経営環境に置かれている。 そのような中、蘋果日報がどのような生存戦略を取ってきたのか、またその取り組みが香港での抗議活動と民主派の動きとどのように関わりがあったのかを記事では述べたい。 紙の新聞としては「経営苦」 蘋果日報社には200人の捜査員が香港警察から派遣され、蘋果日報の親会社壱伝媒(ネクスト・デジタル)のCEOに当たる張劍虹氏が詐欺罪、COOとCFOに当たる周達権(ロイストン・チョウ)氏、さらに黃偉強行政総監が逮捕された。 今回の蘋果日

    中国への配慮で広告撤退…創刊者逮捕と経営苦で「民主派新聞」は生き残れるか(石井 大智) @gendai_biz
  • 新自由主義による悲惨な現実を解決できるのは、左派ポピュリズムです(松尾 匡)

    アメリカ大統領選やイギリスのEU離脱など、昨今の国際情勢を語るキーワードとなっている「ポピュリズム」。立命館大学教授の松尾匡氏が、いま世界中を席巻する「ポピュリズム」運動の実情、そしてその背景に迫りつつ、右派ポピュリズムにはない左派ポピュリズムの可能性について考えます。 「コントロールを取り戻せ!」 前回述べたような「生きているだけで価値がある」生身の個人からの異議申し立て、新自由主義だろうが「リベラル」だろうが共通する分別ぶったエリートからの押し付けに対する反逆は、コロナ前、世界中を覆いつつありました。 昨年2019年は、前年から引き続くフランスの「黄色いベスト」が全土で燃え上がる中で明け、カタルニアでもチリでも香港でも、世界の至るところで民衆が街頭に立ち上がりました。 いったい彼らは何に怒っているのか。 私自身はイギリスのEU離脱は労働者階級にとって決して最善の選択ではないと思っていま

    新自由主義による悲惨な現実を解決できるのは、左派ポピュリズムです(松尾 匡)
  • コロナに覆われた2020年、根深すぎる「政治と文化」の関係を考える(柴 那典) @gendai_biz

    COVID-19の感染拡大と共に、さまざまなイシューで政治音楽の関係が大きな焦点を集めた2020年。そんな中、東京発の3人組ヒップホップユニットDos Monosは、極めて知性的、批評的、かつ撹乱的なスタイルで思考を深め表現をしているグループだ。 5月には台湾IT担当大臣オードリー・タンとのコラボレーション楽曲「Civil Rap Song ft. Audrey Tang」を発表。6月に発表された「Fable Now」や、先日リリースされたアルバム「Dos Siki」も大きな評判を集めている。 Dos Monosの荘子it・TaiTan・没、そしてコンテンツレーベル黒鳥社の若林恵とのインタビュー対話。後編では日政治文化の関係について、アートの持ちうる可能性について語り合った。 2020年の政治文化の関係 ――2020年は、COVID-19の感染が広がったことで、政治文化政治

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    facebooook 2020/08/09
    “SNSの設計に従って動かされるように、半ば自動的に空虚な発言をせざるを得ないという、すごいアホらしい話があると思います。この世界が変わっているように見える状況は、そこから生まれてきた誤解も大きいと思う”
  • 「生産性」と「役に立つ生」に憑かれた、私たちのグロテスクな社会について(木澤 佐登志) @gendai_biz

    当たり前だが、人間には「使命」などない。そのような言葉に惑わされてはならない。その言葉は人間を特定の方向に駆り立て、コントロールしようとする。使命、それはあなたを束縛する負債である。 同様に、人間には「生産性」もない。あるのは「生」だけだ。 歴史上のどこで「生きるに値する生」と「生きるに値しない生」の分割が始まったのだろうか。一つの生に分割線が、たしかにそのとき引かれたのだ。 欺瞞的な未来 生産性に抗するラディカルな生。そのようなものがもし存在するとすれば…? いかなる生産性と再生産の制度にも抗う、それだけで完結した単一の生。 クィア評論家のリー・エーデルマンは、系譜原理を再生産するためのシステムに抗ってこう言う。「未来はここで終わる」。 少なくとも、軽度の知的障害者が必死に働いて得た収入が、たかだが十数万円という現状、そしてそれを「努力の賜物」とか言って美化する国営放送局。これが、彼らの

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    facebooook 2020/08/01
    “当たり前だが、人間には「使命」などない。そのような言葉に惑わされてはならない。その言葉は人間を特定の方向に駆り立て、コントロールしようとする。”