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  • 『永瀬清子詩集』(岩波書店) - 著者:永瀬 清子,谷川 俊太郎 - 堀江 敏幸による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:永瀬 清子,谷川 俊太郎出版社:岩波書店装丁:ペーパーバック(388ページ)発売日:2023-10-16 ISBN-10:4003123115 ISBN-13:978-4003123119 内容紹介: であり母であり農婦であり勤め人であり、それらすべてでありつづけることによって詩人であった永瀬清子(1906-95)。いわば「女の戦場」のただ中で書きつづけた詩人の、勁い生命感あふれる詩と短章。茨木のり子よりずっと早く、戦前から現代詩をリードしてきた〈現代詩の母〉のエッセンス。(対談=谷川俊太郎) 性別の「らしさ」を結果として生み出す声一九〇六年二月、岡山に生まれた永瀬清子が詩人を志したのは、一九二三年、十七歳のとき『上田敏詩集』を読んだことがきっかけだという。その後、佐藤惣之助に師事し、宮澤賢治の『春と修羅』に出会ってから、「シュールやモダニズムを必要としていない」(「自筆年譜」)言

    『永瀬清子詩集』(岩波書店) - 著者:永瀬 清子,谷川 俊太郎 - 堀江 敏幸による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『本と貝殻: 書評/読書論』(コトニ社) - 著者:管 啓次郎 - 堀江 敏幸による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    は読めないものだから心配するな』の著者による最新の、にまつわる読書エッセイ。書は、稀代のエッセイストがいろいろな媒体に書きつづったさまざまな書評読書論のなかからとくに… 『は読めないものだから心配するな』の著者による最新の、にまつわる読書エッセイ。 書は、稀代のエッセイストがいろいろな媒体に書きつづったさまざまな書評読書論のなかからとくに厳選したテクストを集成したものです。読書の方法と書物への讃歌にあふれたです。 日文学最高の文章家のひとりである著者が、とともに生きたいとのぞむ人たちへとどける、読書のための書物の実用論です。 という〈物〉の不思議。 それは、この世のあらゆるものとつながっていること。 ヒトが集合的に経験したすべての記憶・知識・情動が流れこむ一冊一冊のは、タイムマシン、そして意識の乗り物。 いまこそを大切にしよう。 私たちのもとにやって来て、そし

    『本と貝殻: 書評/読書論』(コトニ社) - 著者:管 啓次郎 - 堀江 敏幸による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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    facebooook 2023/11/04
    “言葉は自分がつくりだしたものではない。だから拾うのだ。それを食べて中身が大きくなったら殻を脱ぎ、虚ろな穴にべつの貝殻の沈黙を呼び入れて知らない響きに耳を澄ます。言葉の表情が変わり、本の姿が変わり、”
  • 『燃焼のための習作』(講談社) - 著者:堀江 敏幸 - 小野 正嗣による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:堀江 敏幸出版社:講談社装丁:文庫(272ページ)発売日:2015-12-15 ISBN-10:4062932857 ISBN-13:978-4062932851 寄り添う言葉に耳を傾けて 〈透明性〉に取り憑(つ)かれた社会では、〈謎〉は解明されるためだけにしか存在しないかのようだ。だから、すぐに正解を欲しがる人には、運河のそばの狭い雑居ビルの4階にあるあの探偵(?)事務所を訪れるのはおススメしない。 何しろ、そこにいる枕木という男は、砂糖とクリープを入れたネスカフェを飲みながら依頼人の話をていねいに聞いてはいるが、哲学的というか雲をつかむような話ばかりするからだ。そこに郷子(さとこ)さんという感じのいいアシスタントが始終茶々を入れてくる。 ところが、この二人のやりとりはなぜか心地よく、離婚したと長男の消息の調査を依頼に来たはずの熊埜御堂(くまのみどう)氏はいつしか来訪の目的を忘れ

    『燃焼のための習作』(講談社) - 著者:堀江 敏幸 - 小野 正嗣による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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    facebooook 2023/07/23
    “「他者の話に耳を傾けることは、自分の記憶の声を聴き取ることに等しい」と知るこの希有な作家”
  • 『わたしがいなかった街で』(新潮社) - 著者:柴崎 友香 - 小野 正嗣による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:柴崎 友香出版社:新潮社装丁:文庫(324ページ)発売日:2014-11-28 ISBN-10:4101376425 ISBN-13:978-4101376424 内容紹介: 離婚して1年、夫と暮らしていたマンションから引っ越した36歳の砂羽。昼は契約社員として働く砂羽は、夜毎、戦争や紛争のドキュメンタリーを見続ける。凄惨な映像の中で、怯え、逃げ惑う人々。何故そこにいるのが、わたしではなくて彼らなのか。サラエヴォで、大阪、広島、東京で、わたしは誰かが生きた場所を生きている―。生の確かさと不可思議さを描き、世界の希望に到達する傑作。 「いま、ここ」で感じる不思議さ主人公の砂羽は、大阪出身の30代半ばのバツイチ女性。東京の世田谷に暮らし、小さな会社に非正規社員として勤めている。家に戻れば、ユーゴやイラクなど世界の戦争や紛争を扱ったドキュメンタリーをテレビで見る彼女は、人づきあいが苦手で、

    『わたしがいなかった街で』(新潮社) - 著者:柴崎 友香 - 小野 正嗣による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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    facebooook 2023/07/23
    “そんなのは遠い土地の他者を思いやる自分に陶酔しているだけだ。己の〈いま、ここ〉を全力で真剣に生きよ。健全な常識はそう命じる。  だがそれが難しい。”
  • 『明治日本の詩と戦争―アジアの賢人と詩人』(みすず書房) - 著者:ポール=ルイ・クーシュー 翻訳:金子 美都子, 柴田 依子 - 堀江 敏幸による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:ポール=ルイ・クーシュー翻訳:金子 美都子, 柴田 依子出版社:みすず書房装丁:単行(337ページ)発売日:1999-11-00 ISBN-10:4622046776 ISBN-13:978-4622046776 内容紹介: 1903年の日露戦争時に来日し、俳句の魅力にひかれ、自らも多くの三行短詩を作ったフランス人の見聞録。文学におけるジャポニズムの、また日露戦争下の言論と庶民生活についての記録を和歌と日記を通して紹介する。 詩人たちの島の行く末日露戦争がはじまる直前の一九〇三年九月、ひとりの若いフランス人が横浜に到着した。 ポール=ルイ・クーシュー、二十四歳。パリの名門、高等師範学校でベルクソンらに哲学を学び、スピノザに関する著作もあったこの俊英は、奨学金を得ての世界周遊の途中で立ち寄った未知の国の詩、とりわけ俳句に深い理解を示し、アジアの小国が列強の仲間入りを果たそうとする未曾

    『明治日本の詩と戦争―アジアの賢人と詩人』(みすず書房) - 著者:ポール=ルイ・クーシュー 翻訳:金子 美都子, 柴田 依子 - 堀江 敏幸による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『イン・ザ・ペニー・アーケード』(白水社) - 著者:スティーヴン ミルハウザー - 種村 季弘による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:スティーヴン ミルハウザー出版社:白水社装丁:単行(258ページ)発売日:1998-08-01 ISBN-10:4560071233 ISBN-13:978-4560071236 内容紹介: 遊園地のペニー・アーケードの様々な仕掛けに子供達が胸躍らせるように、書の読者はミルハウザーの圧倒的な想像力の前に大いなる驚きと興奮を味わうことだろう。からくり人形師の信じ難いまでに洗練された芸術を描く傑作中篇「アウグスト・エッシェンブルク」を含む巧緻極まりない短篇集。 とり落とした掌中の珠少年少女というにはやや大人に近い。少年期をすぎて大人に向かいつつある年ごろ、つまりはアドレッセンス。少年たちは、ここでなにかを、掌中の珠のようなものをとり落して、その代わりに大人の仲間入りをする。そのなにか、少年たちにとっての掌中の珠は、そこを通過してしまえば、ごくたあいのない、つまらないものに見えるだろう

    『イン・ザ・ペニー・アーケード』(白水社) - 著者:スティーヴン ミルハウザー - 種村 季弘による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『なぜ古典を読むのか』(みすず書房) - 著者:イタロ・カルヴィーノ 翻訳:須賀 敦子 - 堀江 敏幸による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:イタロ・カルヴィーノ翻訳:須賀 敦子出版社:みすず書房装丁:単行(329ページ)発売日:1997-11-00 ISBN-10:4622046202 ISBN-13:978-4622046202 内容紹介: 卓越した文学案内人カルヴィーノによる最高の世界文学ガイド。ホメロス、スタンダール、ディケンズ、トルストイ、ヘミングウェイ、ボルヘス等の古典的名作を斬新な切り口で紹介。 案内としての批評古典文学を論じた書物は数え切れないほどある。だが、論述の対象となっている作品をこちらも読んでみたい、読み返してみたいと感じさせるものは案外少ない。作品の歴史的な位置づけと丁寧で新味のある読み込みの双方をこなしながら、それをまぎれもない現代文学の読解へとつなげていくような、つまり独立した小論やエッセイの完成度を保ちつつ全体として最良のチチェローネたりうる文章とくれば、なおさら稀少だといっていいだろう。

    『なぜ古典を読むのか』(みすず書房) - 著者:イタロ・カルヴィーノ 翻訳:須賀 敦子 - 堀江 敏幸による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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    facebooook 2021/12/11
    “本を読むのは、それがなにかの「役に立つ」からではなく、読まないよりはましだからであるという事情を、カルヴィーノはきちんと弁えていた。明るさと節度を保った彼の言葉は、だからこそ信用に値するのである。”
  • 『死にたいのに死ねないので本を読む: 絶望するあなたのための読書案内』(草思社) - 著者:吉田 隼人 - 吉田 隼人による本文抜粋 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    ホフマン、ボードレール、マラルメ、ニーチェ、ハイデガー、バタイユ、藤原定家、上田秋成、波多野精一、九鬼周造、塚邦雄、三島由紀夫……。十六歳で自殺未遂を犯してから、文学書、思想書… ホフマン、ボードレール、マラルメ、ニーチェ、ハイデガー、バタイユ、 藤原定家、上田秋成、波多野精一、九鬼周造、塚邦雄、三島由紀夫……。 十六歳で自殺未遂を犯してから、文学書、思想書は、著者にとって唯一の心の拠り所であった。 角川短歌賞・現代歌人協会賞受賞の歌人・研究者が、古今東西の名著のエッセンスを、 読書時の記憶を回想するとともに紹介する。 佐々木敦氏(思考家)推薦! 書を読むと、著者がかつて、重度の反時代的文学少年だったことがわかる。 そして彼は、そのまま大人になった。 「書物への旅」は、書物「と」の旅、書物「から」の旅、でもある。 この「旅」の、なんと蠱惑的で、かつ過酷なことだろうか! はしがき Ⅰ

    『死にたいのに死ねないので本を読む: 絶望するあなたのための読書案内』(草思社) - 著者:吉田 隼人 - 吉田 隼人による本文抜粋 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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    facebooook 2021/11/20
    「不憫な硝子売り」
  • 『魔女とキリスト教』(講談社) - 著者:上山 安敏 - 山折 哲雄による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    魔女とは何か?魔女の淵源は古代地中海世界の太母神信仰に遡る。それは恐怖と共に畏敬にみちた存在であった。時を経て太母神はゲルマンやケルト等の土着の神々と習合し、キリスト教との相克の過… 魔女とは何か?魔女の淵源は古代地中海世界の太母神信仰に遡る。それは恐怖と共に畏敬にみちた存在であった。時を経て太母神はゲルマンやケルト等の土着の神々と習合し、キリスト教との相克の過程で「魔女」に仕立て上げられていく。そして中世の異端審問、凄惨な魔女狩り…。民族学、神話学、宗教学、精神分析学等々、広範な学問の成果に立脚し、魔女を通じて探った異色のヨーロッパ精神史。 近代社会成立の根拠を問うヨーロッパの歴史を暗黒に染めあげる異端審問と魔女狩りは、ユダヤ=キリスト教社会が生んだ双生児である、――それが書を彩る第一テーマである。 つぎに、ヨーロッパの社会は骨のズイまで父権的な一神教に浸されていたわけではない。その深

    『魔女とキリスト教』(講談社) - 著者:上山 安敏 - 山折 哲雄による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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    facebooook 2021/11/20
    “ヨーロッパでの最初のユダヤ人大虐殺が魔女迫害の発生のいきさつと時代的に重なっており、それが十字軍の遠征と深いかかわりがあったとする指摘” 13世紀にはじまる異端審問、16―17世紀にピークを迎える魔女迫害
  • 『ジジイの片づけ』(集英社クリエイティブ) - 著者:沢野 ひとし - 平松 洋子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:沢野 ひとし出版社:集英社クリエイティブ装丁:単行(176ページ)発売日:2020-10-05 ISBN-10:4420310898 ISBN-13:978-4420310895 物を減らすだけではない 絶えず世界を活性化する営み全編、キラーワード満載。 たとえば服について。 いつもハイキングに行くような服を着ていると、生活にめりはりがなくなり、最後には訳がわからなくなって寝間着かジャージ姿で町を徘徊しださないとも限らない。 タンスは人生の鏡である。(中略)下着の上下、下、ハンカチ類、シャツ、セーターは四季に合わせすべての品物は四枚が限界と思えば、服の氾濫や土砂崩れは起きないはずだ。 御意。とはいえ、理解に現実が追いつかないところに、片づけの沼がある。1944年生まれ、七十代後半の著者は自身の経験や思考を投入、家も頭も身体も爽快な方向へにじり寄ろうと奮闘中だ。この人生の沼に正面か

    『ジジイの片づけ』(集英社クリエイティブ) - 著者:沢野 ひとし - 平松 洋子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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    facebooook 2021/05/16
    「ジジイはとにかくひがみやすい」
  • 『見知らぬ友』(福音館書店) - 著者:マルセロ・ビルマヘール 翻訳:宇野 和美 - マルセロ・ビルマヘールによる自著解説 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:マルセロ・ビルマヘール翻訳:宇野 和美出版社:福音館書店装丁:単行(152ページ)発売日:2021-02-12 ISBN-10:483408468X ISBN-13:978-4834084689 新刊『見知らぬ友』は、アルゼンチンで数々の児童文学賞に輝く実力派作家、マルセロ・ビルマヘールさんによる中高生向け短編集。揺れ動く10代のどこか不思議で謎めいた日常が綴られた一冊です。邦訳版の刊行を記念して、ビルマヘールさんが日の読者に向けて寄せてくださったエッセイを、作品の翻訳者、宇野和美さんの訳でお届けします。ぜひお楽しみください。 『見知らぬ友』が日で刊行されて マルセロ・ビルマヘール(訳:宇野和美)『見知らぬ友』が日で翻訳出版されるという知らせを受けとったのは、エルサレムからブエノスアイレスに帰る途中、ロンドンの空港にいるときでした。そのとき感じた大きな喜びと感動は、今も続いて

    『見知らぬ友』(福音館書店) - 著者:マルセロ・ビルマヘール 翻訳:宇野 和美 - マルセロ・ビルマヘールによる自著解説 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『海をあげる』(筑摩書房) - 著者:上間 陽子 - 武田 砂鉄による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:上間 陽子出版社:筑摩書房装丁:単行(256ページ)発売日:2020-10-29 ISBN-10:4480815589 ISBN-13:978-4480815583 かすかな言葉に耳を傾け、抗う「聞く耳を持つものの前でしか言葉は紡がれない」とある。沖縄で未成年の少女たちの支援・調査に携わり、若年出産をした女性の調査を続ける著者によるエッセー集は、ようやく紡がれた言葉をこぼさぬように書き留める。だが、「言葉以前のうめき声や沈黙のなかで産まれた言葉は、受けとめる側にも時間がいる」。 一七歳になったばかりの母親は、質問に対して、時に「うん」と答え、時に「ううん」と答える。振り返りたいとは限らない記憶を抱きかかえるように静かに歩んでいく人たちの痛みを知る。著者自身にも、言葉にするまでに、逡巡する出来事があった。 踏みしめて乗り越えようとしても、その足跡が目に入り、むしろ後ずさりしてしまう。

    『海をあげる』(筑摩書房) - 著者:上間 陽子 - 武田 砂鉄による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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    facebooook 2021/05/16
    “振り返りたいとは限らない記憶を抱きかかえるように静かに歩んでいく人たちの痛みを知る。著者自身にも、言葉にするまでに、逡巡する出来事があった。”
  • 『毛沢東論―真理は天から降ってくる―』(名古屋大学出版会) - 著者:中兼 和津次 - 中兼和津次による前書き | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:中兼 和津次出版社:名古屋大学出版会装丁:単行(438ページ)発売日:2021-05-10 ISBN-10:4815810230 ISBN-13:978-4815810238 内容紹介: その男は中国に何をもたらしたのか――。大躍進政策や文化大革命によって大量の犠牲者を出しながら、現在なお大陸で英雄視される稀代の指導者。「秦の始皇帝+マルクス」とも言われる、その思想と行動を冷静かつ大胆に分析。中国経済研究をリードしてきた碩学が、現代中国の核心に迫る。 毛沢東――今なお中国の社会と政治に影響を及ぼし続ける稀代の指導者は、一体どのような人物だったのでしょうか。毛の没後45年、そして中国共産党建党100年を迎える今年、中国経済研究をリードしてきた碩学による『毛沢東論』が出版されました。以下、「はじめに」全文を特別公開いたします。 その男は中国に何をもたらしたのか。大量の犠牲者を出しながら

    『毛沢東論―真理は天から降ってくる―』(名古屋大学出版会) - 著者:中兼 和津次 - 中兼和津次による前書き | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『Pachinko』(Head of Zeus) - 著者:Min Jin Lee - 渡辺 由佳里による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:Min Jin Lee出版社:Head of Zeus装丁:ペーパーバック(560ページ)発売日:2017-08-03 ISBN-10:178669137X ISBN-13:978-1786691378 * Shortlisted for the National Book Award * * One of the New York Times's 10 Best Books of 2017 * Yeongdo, Korea 1911. In a small fishing village on the banks of the East Sea… * Shortlisted for the National Book Award * * One of the New York Times's 10 Best Books of 2017 * Yeongdo, Korea 1911.

    『Pachinko』(Head of Zeus) - 著者:Min Jin Lee - 渡辺 由佳里による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『子供時代』(幻戯書房) - 著者:ナタリー・サロート 翻訳:湯原 かの子 - 堀江 敏幸による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:ナタリー・サロート翻訳:湯原 かの子出版社:幻戯書房装丁:単行(372ページ)発売日:2020-07-27 ISBN-10:4864882029 ISBN-13:978-4864882026 内容紹介: ヌーヴォー・ロマン作家サロートが到達した、伝記でも回想でもない、まったく新しい「反-自伝小説」。 「私」と「あなた」の対話ではじまる、ことばとイマージュと記憶の物語。 円熟期の実験作。サロート43年ぶりに邦訳刊行! 問いの反復からあふれる優しさナタリー・サロートの作品が邦訳されるのは、じつに四十四年ぶりのことになる。六〇年代から七〇年代にかけて、日ではヌーヴォー・ロマン(新しい小説)と呼ばれるフランスの文芸作品が盛んに紹介されていた。輪郭のはっきりした人物が、よく構築された筋のなかを動きまわり、彼らの心理も丁寧に描写される十九世紀の伝統的な作風、現在でも「小説」といえばすぐに思い

    『子供時代』(幻戯書房) - 著者:ナタリー・サロート 翻訳:湯原 かの子 - 堀江 敏幸による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『閉ざされた扉をこじ開ける 排除と貧困に抗うソーシャルアクション』(朝日新聞出版) - 著者:稲葉 剛 - 中島 京子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    「大人の貧困は自己責任」という不寛容が日社会を覆っている。日々の寝泊まりにも困り、生活に困窮している人々が自ら声をあげにくい風潮はますます強まっている。住居を喪失した人が失うの… 「大人の貧困は自己責任」という不寛容が日社会を覆っている。日々の寝泊まりにも困り、生活に困窮している人々が自ら声をあげにくい風潮はますます強まっている。住居を喪失した人が失うのは、生活の基盤となる住まいだけではない。その果てにあるのは、生存そのものが脅かされる恐怖だ。20年以上、現場を見て歩いてきた社会活動家が「社会的に排除された側」からこの国を見つめ直す。 何のために「社会」を作っているのか2020年前半はコロナ禍と共に過ぎてしまった。「自粛要請」に応じた飲店が店を再開できず、ライブハウスが廃業し、ファッションブティックがなくなった。職を失う。家を失う。そんな状況が、誰の身にも、突然、理不尽に起こりうるの

    『閉ざされた扉をこじ開ける 排除と貧困に抗うソーシャルアクション』(朝日新聞出版) - 著者:稲葉 剛 - 中島 京子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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    facebooook 2020/08/13
    “民間の「貧困ビジネス」と自治体の福祉事務所がつながっている実態” “なんのために私たちは「社会」を作っているのか”
  • 『気候と人間の歴史・入門 【中世から現代まで】』(藤原書店) - 著者:E・ル=ロワ=ラデュリ 翻訳:稲垣 文雄 - 五味 文彦による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    歴史事件に気象が与えた影響を探る地球温暖化の問題が大きな現代的課題となっているが、歴史的にこの問題についてどう考えたらよいのだろうか。 この点について、歴史と気候の関係を追究してきたフランスのアナール派の著者が、三十二の質問に答える形でわかりやすく記したのが『気候と人間の歴史・入門』である。 まずは気候の歴史の研究法について幾つかの方法を提示する。樹木の年輪を介してその成長から調べる年輪年代学、次に葡萄の収穫日の研究、いかにもフランス人の研究らしい指標である。一七八九年から二〇〇〇年にかけてのブルゴーニュの葡萄の収穫日とパリの気温とは相関関係があり、高気温の時の葡萄は早期熟成で、冷涼期には収穫の遅延が起きているという。日では桜の開花期がよく使われているが。 続いて干魃(かんばつ)や降雨の時に行われる祈願祭、これはキリスト教文化圏らしいところであり、そしてよく知られているのが氷河の研究や

    『気候と人間の歴史・入門 【中世から現代まで】』(藤原書店) - 著者:E・ル=ロワ=ラデュリ 翻訳:稲垣 文雄 - 五味 文彦による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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    facebooook 2020/07/28
    “気候と歴史・人間との関係は密接であることは疑いないが「しかし短絡的な理由づけは慎みましょう」というラデュリの指摘。 言葉に踊らされている面はなくはないのだが、着実に温暖化が進んでいるという現実”
  • 『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』(左右社) - 著者:コーリー・スタンパー 翻訳:鴻巣 友季子,竹内 要江,木下 眞穂,ラッシャー 貴子,手嶋 由美子,井口 富美子 - 中島 京子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:コーリー・スタンパー翻訳:鴻巣 友季子,竹内 要江,木下 眞穂,ラッシャー 貴子,手嶋 由美子,井口 富美子出版社:左右社装丁:単行(360ページ)発売日:2020-04-13 ISBN-10:4865282564 ISBN-13:978-4865282566 内容紹介: “bitch”は侮蔑語か?“its”と“it’s”を間違える人は無教養?“OMG”は英語の退化?“nude”は「白人の肌の色」?“marriage”できるのは異性だけ?一語一語と向き合い、格闘する、知られざる辞書編纂の世界とその秘密。アメリカで最も歴史ある辞書出版社、メリアム・ウェブスターの編集者による言葉の謎をとく14章。 常に動き、変化する言葉への考察書は、辞書作りの悪戦苦闘を開示してくれるエッセイで、著者はアメリカで最も歴史ある辞書出版社、メリアム・ウェブスターの社員編纂者である。この只者ではない辞書編纂

    『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』(左右社) - 著者:コーリー・スタンパー 翻訳:鴻巣 友季子,竹内 要江,木下 眞穂,ラッシャー 貴子,手嶋 由美子,井口 富美子 - 中島 京子による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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    facebooook 2020/07/21
    「言葉は人を傷つける。なぜなら、言葉は互いを傷つけあう手段として唯一社会的に認められているものだからだ」「言葉が代弁する数世紀にもわたる攻撃」
  • 『献灯使』(講談社) - 著者:多和田 葉子 - 町田 康による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:多和田 葉子出版社:講談社装丁:文庫(272ページ)発売日:2017-08-09 ISBN-10:406293728X ISBN-13:978-4062937283 言葉の"設定"を離れ自由に暴れ回る快楽原発事故がなぜ起きたか、ということについてはいろんな理由があるだろうけれども、そのひとつに関係者が、いろんな事態を想定する際、もちろん極端な事態も想定したのだけれども、あまりにも極端な事態は、これを想定しなかった、というのがあるように思う。 なぜ、極端な事態を想定しなかったのかというと、まあそれもいろいろあるだろうけれども、一番大きいのは銭の問題であろう。それさえなければ最大級の事態を想定して、どんな自然災害にも人為的な破壊にも耐えられるものを造ることができるはずである。しかし、そんなことをしたら銭、すなわち経費が掛かりすぎてしまって利益が得られない。そこで、極端な事態は想定をしなか

    『献灯使』(講談社) - 著者:多和田 葉子 - 町田 康による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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    facebooook 2020/05/25
    “都合のよい言葉だけを選んで組み合わせて生きるうちに身体に溜まった言葉の毒素が分解されて解脱したような気になれて、よい本であるなあと思いました。想いました。”
  • 『独り居の日記』(みすず書房) - 著者:メイ・サートン 翻訳:武田 尚子 - 森 まゆみによる書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:メイ・サートン翻訳:武田 尚子出版社:みすず書房装丁:単行(280ページ)発売日:2016-09-02 ISBN-10:4622085585 ISBN-13:978-4622085584 豊かなる孤独「昨日は前庭でキノコを摘み、ミルドレッドのためにコップいっぱいのラズベリーを摘む。木の葉は早くも散り落ちてゆくが、まだ色合いは柔らかで、燃え上る十月のそれではない。空気は熱帯のように湿気を含み、私を消耗させる」 「目が覚めると銀世界で、牧場は厚い霜におおわれていた。昨日午後私が花壇においたえぞまつの枝は、まるでいぶし銀を吹きかけられたようだ――おまけに青空と、なんという光!」 『独り居の日記』(M・サートン、武田尚子訳、みすず書房)はアメリカ・ニューハンプシャーの片田舎で一人暮らす女性作家の、一九七三年の日記である。美しい自然の中の内省の日々について、すでに『夢みつつ深く植えよ』を書い

    『独り居の日記』(みすず書房) - 著者:メイ・サートン 翻訳:武田 尚子 - 森 まゆみによる書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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    facebooook 2020/05/13
    “心の嵐が「どんなに辛かろうと、その嵐は真実をたくわえているかもしれない。時には気持ちのふさぎにただ耐えて、それが明るみに出すもの、要求するものを見つめるほかはない」”