以前、いわゆる”オタク”の女の子にカミングアウトをしたことがある。その子は職場の後輩で、友人として仲良くなっていくにつれ、自分のセクシュアリティを隠し続けることが心苦しくなったからだった。 気持ち悪がられたらどうしよう、と冷や汗をかきながら、 「私の恋人は女性なの。今まで彼氏だと言っていたけれど、実は彼女だったんだ」 そう言うと、後輩からは予想外の反応が返ってきた。 「凄い! 百合カップルだ。初めて見た、かっこいい!」 目を輝かせてそう言った彼女に、私はどう反応していいか分からず、とりあえず「ありがとう」と言った。そして後輩は翌日「よかったらこれ」と言って、百合モノの漫画を貸してくれた。 いや、私は嬉しかったのだ。後輩が私のセクシュアリティを受け入れてくれ、その親愛の証として同性愛モノの漫画を貸してくれた。そのこと自体は、ちょっと感動を覚えるくらい嬉しかった。ただ、”百合カップル”という言