ファイブスター物語は設定資料を読み込んで勉強しないと理解できない漫画であるとの説が主流になりつつあるようである。その面はある。しかし、初めて読む人に間違った先入観をあたえる言説でもある。なぜなら、信者と呼ばれているような私やあなたは、まず始めにキャラクターズ(設定資料集)を熟読してから単行本1巻を読んだだろうか。わけが分からないままに不思議な魅力を感じて1巻をまず読んだのではないだろうか。意味が分からないと思いつつ、何度も何度も繰り返し読んだのではないだろうか。普通、意味が分からない本は読まないものである。分からないと思いつつも繰り返し読んでしまう本というのは、正確に言えば、初心者を虜にしてしまう魅力を持っている本なのだ。そういう意味で、僕にとってのファイブスター物語1巻は、最高に初心者向けの漫画本である。勉強が必要になるのは巻が進んでからであり、読者の成長に合わせて難易度が上がるのです。