まあ、おもしろかったし、物語の解釈はつぎつぎとページをめくりたくなった。わたしは物語のよい解釈者ではなくて意味がわからないことがおおいから、すなおに村上春樹と宮崎駿の物語解釈はたのしめた。「へぇ~、そういうことをいっていたのか」とたのしめた。 大塚英志は何冊か読んだことはあるのだが、過剰な自分語りにはうんざりしたり、単純化・簡素化してくれない迂遠で饒舌な文章には嫌気がさしていてこんかいで読むのをやめるかもと思っていたのだが、あんがいおもしろかった。 まあ、この本は『スター・ウォーズ』の種本にもなったジョセフ・キャンベルの単一神話論で村上春樹も宮崎駿もその物語を読み解けるということで、物語のフォーマットや構造だけで中身なんかなにもないのだと批判している。世界にうけたのはそういう万人受けする普遍的な物語構造を援用したからだということで、それで憤っているということになるのか。この本はそのキャンベ