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ブックマーク / www.webdoku.jp (46)

  • 【今週はこれを読め! SF編】恐竜と蟻の互恵的共生と殲滅的戦争~劉慈欣『白亜紀往事』 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    《三体》シリーズが爆発的にヒットし、名実ともに世界のSFシーンを牽引する存在となった劉慈欣。書は、彼がブレークする前の2004年に発表された、短めの長篇である。 人類があらわれるより遙か以前に台頭した、二種類の知性のもつれにもつれた運命が描かれる。ひとつは恐竜であり、もうひとつは蟻だ。どちらも単体では知性を文明にまで昇華させる力はなかった。恐竜には器用な前肢がなく、原始的な工具以上のものは操れない。いっぽう、蟻は集団でこそ知性が生じるが、その知性は融通がきかない創造性に欠けるものだった。 しかし、この二種類の知性は、偶然にも互恵的な共生関係を結び、支えあうようにそれぞれの文明をかたちづくっていく。最初は蟻が恐竜の歯を掃除し、恐竜があまった物を蟻に提供するという程度だったものが、やがて高度な医療、文字による意思疎通、情報の記録、蒸気機関の発明、輸送技術の進歩......と発展。恐竜も蟻も

    【今週はこれを読め! SF編】恐竜と蟻の互恵的共生と殲滅的戦争~劉慈欣『白亜紀往事』 - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • 【今週はこれを読め! SF編】ケンタウルス座α星への長い旅に出る巨大宇宙船 - 牧眞司|WEB本の雑誌

  • 第231回:佐藤究さんその8「創作と日常」 - 作家の読書道|WEB本の雑誌

    作家自身は、どんな「屋のお客」なんだろう?そしてどんな「の読者」なんだろう? そんな疑問を、作家の方々に直撃インタビューです。 作家の読書道 第231回:佐藤究さん 今年『テスカトリポカ』が山周五郎賞と直木賞を受賞、注目を集める佐藤究さん。幼い頃はプロレスラーになりたかった福岡の少年が、なぜを読み始め、なぜ小説を書き始め、なぜ群像新人文学賞受賞後に江戸川乱歩賞で再デビューしたのか。そしてなぜ資主義について考え続けているのか。直木賞発表前の6月、リモートでおうかがいしました。 『ブラッド・メリディアン あるいは西部の夕陽の赤 (ハヤカワepi文庫)』 コーマック マッカーシー,黒原 敏行 早川書房 1,320円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 『旅の賢人たちがつくった海外グルメ旅最強ナビ』 丸山ゴンザレス&世界トラベラー情報

    第231回:佐藤究さんその8「創作と日常」 - 作家の読書道|WEB本の雑誌
    florentine
    florentine 2021/07/28
    “「三島由紀夫の亡霊を斬ってください」っていうものすごい依頼が原因なんですが......。僕は三島さんのファンですし、世界最高の作家の一人ですので、無理ですよ、と何度もお断りした”面白そう
  • 第231回:佐藤究さんその6「ノンフィクションと哲学書」 - 作家の読書道|WEB本の雑誌

    florentine
    florentine 2021/07/28
    “僕の中では、"作者"っていうのはどう考えてもフィクションなんですよ。本当は無名の、名づけようのない声がコツコツ書いているんです”
  • 作家の読書道 第226回:酉島伝法さん|作家の読書道|WEB本の雑誌

    作家自身は、どんな「屋のお客」なんだろう?そしてどんな「の読者」なんだろう? そんな疑問を、作家の方々に直撃インタビューです。 作家の読書道 第226回:酉島伝法さん 2011年に「皆勤の徒」で第2回創元SF短編賞を受賞、造語を駆使した文章と自筆のイラストで作り上げた異形の世界観で読者を圧倒した酉島伝法さん。2013年に作品集『皆勤の徒』、2019年に第一長編『宿借りの星』で日SF大賞を受賞した酉島さんは、もともとイラストレーター&デザイナー。幼い頃からの読書生活、そして小説を書き始めたきっかけとは? リモートでお話をおうかがいしました。 ――いちばん古い読書の記憶から教えてください。 酉島:寝る時に母親が読み聞かせてくれたことだと思います。最初の頃は普通に絵や童話だったと思うんですが、ある時なぜか、上温湯隆の『サハラに死す』を読んでくれたんですよ。サハラ砂漠を渡ろうとして行方不明

    作家の読書道 第226回:酉島伝法さん|作家の読書道|WEB本の雑誌
  • 【今週はこれを読め! SF編】ケン・リュウ編の中国アンソロジー第二弾! - 牧眞司|WEB本の雑誌

    『月の光 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)』 劉 慈欣,ケン リュウ,牧野 千穂,大森 望,中原 尚哉,大谷 真弓,鳴庭 真人,古沢 嘉通 早川書房 2,420円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 『折りたたみ北京』に続く、現代中国SFを紹介するアンソロジー。編者ケン・リュウは「序文」で、こう告げる。 包括的であったり、代表的であったりすることを狙いとした計画は失敗に終わる運命にあり、いわゆるベストの作品を選出するというたいていの方法にわたしは疑念を抱いている。 (略)完璧な作品を選ぶことがいいとはわたしは考えていない----それどころか、一箇所いい点がある作品は、なにも悪くない作品よりもはるかに優れていると考える。 (引用文中の太字で示した箇所は原文では傍点) この方針が素晴らしい。減点法で無難な秀作を選ぶ

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  • 作家の読書道 第186回:澤村伊智さん|作家の読書道|WEB本の雑誌

    作家自身は、どんな「屋のお客」なんだろう?そしてどんな「の読者」なんだろう? そんな疑問を、作家の方々に直撃インタビューです。 作家の読書道 第186回:澤村伊智さん 日ホラー小説大賞を受賞したデビュー作『ぼぎわんが、来る』(「ぼぎわん」を改題)が話題を集め、その後の作品も評判を呼んで日ホラー小説界期待の新星として熱く注目されている澤村伊智さん。実は幼少の頃から筋金入りの読書家です。愛読してきたレーベル、作品、作家について、がっつりお話くださいました。読み応え満点! ――いつも一番古い読書の記憶からお伺いしてるんですけれども、いかがでしょうか。 澤村:物心ついたころから一応、周りにがありました。小学館の「世界の童話」でしたっけ、金色のカバーがかかっているシリーズがあって、その一部が家にあったんです。明らかに母親が僕に読ませるために買っただと思うんですけど。それの『アラビアンナイ

    作家の読書道 第186回:澤村伊智さん|作家の読書道|WEB本の雑誌
    florentine
    florentine 2017/09/20
    あとで
  • 【今週はこれを読め! SF編】竜の神話と生物学のロジック、篠田節子のサイエンス・フィクション - 牧眞司|WEB本の雑誌

    篠田節子はこれまでも、毒性を有する変異カイコが猛威をふるう『絹の変容』、新種日脳炎を媒介する軟体動物が蔓延る『夏の災厄』と、描線がくっきりとしたパニックSFを送りだしてきた。『竜と流木』はそれらにつづく最新作である。人間に仇なす生物の量感でみれば、こんかいはほとんど怪獣小説といってよい。 なにしろ敵は全長四十センチだが俊敏、後ろ足と尻尾で立ちあがり倒れこむように襲いかかる攻撃性、トカゲのようでトカゲではなく、ウツボめいたぐねぐねした動き。鋭い歯で噛みつき神経毒を注入する。そのうえ口中は多種多様な病原菌の巣窟なので、咬まれた人間はその傷から全身へと壊死が広がる。刃物は通用せず、銃弾を撃ちこんでも急所をはずせば驚異的な再生をし、そのうえ繁殖力旺盛ときている。まさに「黒い悪魔」だ。 この危険生物と対照的なのが、物語の冒頭に登場する小さな生命の可憐さである。 主人公の僕(アメリカ人の父と日人の

    【今週はこれを読め! SF編】竜の神話と生物学のロジック、篠田節子のサイエンス・フィクション - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • 【今週はこれを読め! SF編】"濃い"のに"軽快"、ベイリーのワイドスクリーン・バロック - 牧眞司|WEB本の雑誌

    『カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)』 バリントン・J・ベイリー,大森 望 早川書房 1,100円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto バリントン・J・ベイリーは日のSFファン(の一部)に熱狂的に支持される作家だ。カルトというのとはちょっと違って「濃い」かんじがウケているのだ。 よくワイドスクリーン・バロックの代表作家のように言われたりもする。これはブライアン・W・オールディスが言いはじめたサブジャンルで「絢爛華麗な風景と、劇的場面と、可能性からの飛躍の楽しさに満ちた、自由奔放な宇宙冒険物」のことだ(SFの歴史を概観した研究書『十億年の宴』で、アルフレッド・ベスターの『虎よ、虎よ!』をワイドスクリーン・バロックの決定版と称揚したときの表現)。 ワイドスクリーン・バロックの先駆けはA・E・ヴァン・ヴォクトだし、オールディスの

    【今週はこれを読め! SF編】"濃い"のに"軽快"、ベイリーのワイドスクリーン・バロック - 牧眞司|WEB本の雑誌
    florentine
    florentine 2016/04/26
    「バリントン・J・ベイリーは日本のSFファン(の一部)に熱狂的に支持される作家だ」自分の印象では、あとわりと美術系のひとも読んでるっぽい気がする。
  • 【今週はこれを読め! SF編】さもしい世界を掃除してやろう! きょうからぼくもプーカ人! - 牧眞司|WEB本の雑誌

    『地球礁 (河出文庫)』 ラファティ,R.A.,Lafferty,R.A.,毅一郎, 柳下 河出書房新社 2,197円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto ラファティ! 大好き! ラファティみたいな作家はラファティしかおらず、ラファティにかぶれたファンは「ラファティ凄い、ワン・アンド・オンリー!」「孤高の天才!」「始原にして至高の語り手!」と踊りまわる。ちょっと落ちつこうか、オレ。 あまりテンション高く語ると未読のかたはハードルに感じてしまうかもしれない。こんかいのレビューは、まず「ふつうに面白い作品ですよ」という地点から出発しよう。逆説的とか反近代的とか超絶言語感覚とかそういうコワモテな読みでラファティを捉えるのはイケない。感情移入して楽しく読める作品です。ほんと。マジで。 『地球礁』で主役をはるのは六人(もしくは七人)の子供たち、エ

    【今週はこれを読め! SF編】さもしい世界を掃除してやろう! きょうからぼくもプーカ人! - 牧眞司|WEB本の雑誌
    florentine
    florentine 2016/04/19
    「ラファティにかぶれたファンは「ラファティ凄い、ワン・アンド・オンリー!」「孤高の天才!」「始原にして至高の語り手!」と踊りまわる。ちょっと落ちつこうか、オレ。」わかるw 凄くよくわかる!
  • 【今週はこれを読め! SF編】ロボットの教養小説、SFを対象化するSF(みたいな小説) - 牧眞司|WEB本の雑誌

    『ロデリック:(または若き機械の教育) (ストレンジ・フィクション)』 ジョン・スラデック,柳下 毅一郎 河出書房新社 5,780円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto ロデリックはミネトンカ大学のコンピュータ・サイエンス科で開発されたロボットだ。日暮らしのぼくらは『鉄腕アトム』『鉄人28号』『ドラえもん』、あるいは「ボッコちゃん」などロボットの名前がそのまま題名になる作品になじんでいるけど、英米ではおそらくそれほど一般的ではない。アイザック・アシモフ&ロバート・シルヴァーバーグの『アンドリューNDR114』も、原題はThe Bicentennial Man(二百周年を迎えた男)だ。アシモフの名作短篇「ロビー」は現在流布している版ではRobbieだが、初出時は"Strange Playfellow"(奇妙な遊び仲間)だった。 スラデッ

    【今週はこれを読め! SF編】ロボットの教養小説、SFを対象化するSF(みたいな小説) - 牧眞司|WEB本の雑誌
    florentine
    florentine 2016/03/22
    あとで
  • 2月25日(木) 平成の「中間小説」 - 目黒考ニの何もない日々|WEB本の雑誌

    いやはや、驚いた。「中間小説の定義が変わってきているのを知っていましたか?」とある編集者に言われたのである。え、どういうこと? 中間小説とその時代、と副題のついた大村彦次郎『文壇栄華物語』には、「中間小説はその発足時においては、純文学と大衆文学の中間にあって、小説来の面白さを追求する、というのが建前であった」と書かれている。『新潮社100年』にはもっとひらたく、「中間小説とは純文学の作家が書く娯楽小説」という記述もある。 昭和二十年代から三十年代の前半にかけて小説新潮が部数を飛躍的に伸ばしたのはその「中間小説」が当時の読者に圧倒的に支持されたからで、それが昭和四十年代初頭、五木寛之、野坂昭如などの登場によって若者たちの支持まで集め、小説新潮、オール読物、小説現代などの中間小説誌の全盛期を迎え、やがて現代のエンターテインメントに繋がっていく──というのが私たちの共通認識だ。今年古希を迎える

  • 【書評】『小さな倫理学入門』山内志朗 - 横丁カフェ|WEB本の雑誌

    『小さな倫理学入門 (慶應義塾大学三田哲学会叢書 ars incognita)』 山内 志朗 慶應義塾大学出版会 756円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 〈倫理〉。小学生向けの辞書にも〈倫理〉は掲載されています。『三省堂例解小学国語辞典 第三版』をひくと、"人間として守るべき正しい道"と、ありました。 清水書院の『倫理資料集』のはしがき〈倫理を学ぶこと〉によると、"倫理とは人間としてあるべき生き方のことで、先哲(古今東西の思想家、宗教家、文学者、芸術家たち)が示した人生観・世界観・人間性や社会の特色を学び考える" ことだと。 そして、"かたく聞こえるかもしれないが、難しいことではない。どんな人間になりたいか、何にあこがれ、何をめざすか、誰を友とし、誰を愛するか、それを考えることなのである。"と結ばれています。 ──どんな人間になり

    【書評】『小さな倫理学入門』山内志朗 - 横丁カフェ|WEB本の雑誌
    florentine
    florentine 2015/12/12
    「倫理学が傷つけないことを目指すものであることを示すために書いたのですが、書いた本人は傷だらけで、読む人にもいばらだらけの本になってしまったかもしれません。人生はいつだって傷だらけです。ご容赦ください
  • 【今週はこれを読め! SF編】甦る『屍者の帝国』、読み換えられる『計劃』 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    伊藤計劃の三作品をアニメ化する「Project Itoh」と連動し、版元をまたいでの出版企画が相次いでいる。書もそのひとつだ。オリジナル・アンソロジー『NOVA+』(昨秋に第一弾『NOVA+ バベル』が刊行、欄でも紹介)を一冊まるごと『屍者の帝国』競作にあてるという、ちょっと荒技の編集だ。いや、機を見るに敏というべきか。 先にハヤカワ文庫から出た『伊藤計劃トリビュート』も「Project Itoh」連動アンソロジーだが、そちらは伊藤計劃が提起したテーマ群を中堅若手作家が継承し、それぞれ独自の設定を起こしていた。いっぽうこちらの『屍者たちの帝国』は、伊藤計劃が敷いた設定(作品を仕上げたのは円城塔だが)を踏襲したシェアワールドだ。死体を復活させて労働や兵役に用いる「屍者テクノロジー」を主軸として、十九世紀末という時代背景、スチームパンク風の小道具、実在/虚構を取りまぜて個性的なキャラクター

    【今週はこれを読め! SF編】甦る『屍者の帝国』、読み換えられる『計劃』 - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • 「21世紀のSFベスト」牧眞司が偏愛で選んだ100冊 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    決定版の「21世紀のSFベスト100」は〈の雑誌〉2015年11月号をごらんください。 鏡明、大森望の両氏にぼくを加え、目利きとは名ばかりの乱読と独断と適当をぶつけあって1位から100位まで並んだわけですが、その座談会に先立って各自が推薦作リストを用意しました。 鏡リストは〈の雑誌〉で鏡さんが毎年担当している「SFベスト10」(2001年度〜2014年度)から原著刊行が2001年以降のものを抜きだしたもの。大森リストは大森さんの著作『21世紀SF1000』の「21世紀SF推薦作100」リストと〈の雑誌〉の常設書評「新刊めったくたガイド」(2011年1月号〜2015年9月号)の★★★★☆以上作品をあわせて、原著刊行が2001年以降のものを抜きだしたものです。そういう意味では、おふたりのリストはすでに公開されているわけです。 ぼくはそういう元手がないもので、えいやっとワガママな「21世紀

    「21世紀のSFベスト」牧眞司が偏愛で選んだ100冊 - 牧眞司|WEB本の雑誌
    florentine
    florentine 2015/10/15
    NOVA全巻制覇してないのでそれのぞくと16冊くらい? うあ、少ないな。もっと読まなきゃだよ……
  • 【今週はこれを読め! SF編】自由を貪る戦争か支配下の平和か。人類家畜テーマの新展開。 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    ロバート・チャールズ・ウィルスンは、ジョン・W・キャンベル記念賞受賞の『クロノリス--時の碑--』(2001年)、ヒューゴー賞を受賞した『時間封鎖』(2005年)を開幕篇とする三部作など、大仕掛けの「SFアイデア」と緻密な「心理描写」で定評のある人気作家だ。正直に言うとぼくは「心理描写」がどうも苦手で、この作家のこれまでの作品はもうひとつ乗りきれずにいたのだが、書(2013年)は「SFアイデア」のほうが思いきりの剛速球でワクワクしながら読み通すことができた。 空の上に見えない超越的知性がいて、ひそかに人類をコントロールしている! なんと、エリック・フランク・ラッセル『超生命ヴァイトン』と同趣向のアイデアだ。昔懐かしいWAP(We are property=人類家畜)テーマですね。ラッセルは超常現象研究のパイオニアであるチャールズ・フォートの影響を受けており、人類を支配しているミステリアス

    【今週はこれを読め! SF編】自由を貪る戦争か支配下の平和か。人類家畜テーマの新展開。 - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • 【今週はこれを読め! SF編】現代日本SFの幅の広さを詰めこんだショーケース - 牧眞司|WEB本の雑誌

    あらためて「SFはいろいろだなあ」と感じいる。「いろいろ」の幅を年刊SF傑作選のパッケージにギチっと収めてみせるのが、大森・日下コンビの慧眼と手腕だ。幅がずいぶん広いため、ここに収められた18篇(2014年発表作+同年創元SF短編賞受賞作)のすべてを「うん、傑作!」と頷いて読むひとはあまりいないだろう。小説の好みが偏向しているぼくはピンとこない作品もいくつかあった。しかし、そういう作品がSFの最前線で生みだされているのを知ることができるのも、このアンソロジーの価値だ。ここで言うSFとはジャンルもしくはマーケットとしてのSFではなく、もっと広義のそれ----SF読者の好奇心・想像力にうったえかける小説漫画一般である。 先ほど「小説の好みが偏向している」と言ったが、自分の新しい好み(それまで思っていなかった小説の楽しみかた)が見つけられるのもこうしたアンソロジーの良さだ。この集では、堀晃「再

    【今週はこれを読め! SF編】現代日本SFの幅の広さを詰めこんだショーケース - 牧眞司|WEB本の雑誌
    florentine
    florentine 2015/08/04
    「伴名練「一蓮托掌(R・×・ラ×ァ×ィ)」だ。これはSF界きってのユニークな作家R・A・ラファティへのトリビュート企画で書かれた作品」これ文フリでゲットしてすごくよかった。堀晃「再生」が気になる!
  • 【今週はこれを読め! SF編】狂気が生みだした「月」、「月」が夢見る言語化しえぬ現実 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    冒頭はいきなり天使降臨による日常の壊滅だ。もはや地上には安全な場所はなく、菱屋修介は自らの妄想がつくりだした「月世界」へと逃げこむ。そして、現実が分岐する。 修介がもといた日常は、章題では「世界n」と示されている。 一方、分岐した現実のひとつ「世界n+1」では、ニホン語が失われている。もとからそんな言語など存在しないというのが言語学者のあいだでの定説だ。敗戦によりニホンの公用語は英語になったが、それ以前から上位言語として英語は使われており、そのほかに何種類かの俗語があったらしいがそれらは口語だったので文献は残っていない。 この定説に異を唱える異端派もいる。言語学研究を進めるなかで直感的にニホン語に行きあたった者、あるいは政治的運動のなかでニホン語隠蔽の陰謀(?)を疑う者。「世界n+1」での物語は1975年で進行し、当時の世相が大きな影を落とす(その雰囲気に多くのSFファンは山田正紀『神狩り

    【今週はこれを読め! SF編】狂気が生みだした「月」、「月」が夢見る言語化しえぬ現実 - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • 【今週はこれを読め! SF編】異形環境と化した世代宇宙船、はたして最終的な寄港地は? - 牧眞司|WEB本の雑誌

    SFの古典的題材である世代宇宙船を正面から扱ったオールディスの第一長篇。オールディスはJ・G・バラードとならぶ英国ニューウェイヴの旗頭だが、書はそのムーヴメントが勃興する以前、1958年に発表された作品だ。しかし、すでにこの作家の特質がありありとうかがえる。ここに描かれる世代宇宙船内の異形化した世界は、物理的な環境であると同時に、ひとつの精神空間なのだ。 この船内で生まれた主人公コンプレインは地球もほかの惑星も知らず、またこの船の記録はとうに失われているので、いまいるところだけが彼にとっての唯一の世界だ。船内の空間は広大でいくつもの地域があるようだが、その全貌を把握している者は彼の身近にはいない。その〈居住区〉では前近代的な職位制度によって秩序が保たれており、コンプレインは狩人で野生動物を獲り、肉を売って暮らしていた。そこにはいちおう宗教もあって人々からあまり敬われていないが司祭もいる。

    【今週はこれを読め! SF編】異形環境と化した世代宇宙船、はたして最終的な寄港地は? - 牧眞司|WEB本の雑誌
    florentine
    florentine 2015/07/21
    「身体性については物語のクライマックスに関わってくるので詳述は控えるが、この作家がのちに書きあげる傑作『地球の長い午後』の萌芽がハッキリとあらわれている」
  • 【今週はこれを読め! SF編】宇宙図としての精神病棟、頭蓋のなかの火星 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    『エクソダス症候群』の舞台は過酷な環境の火星開拓地、中心となるテーマは精神疾患だ。読みはじめてまっさきに連想したのは、フィリップ・K・ディック『火星のタイム・スリップ』だった。ディック作品では、精神疾患とみなされていたものが実は独特の世界認識・時間感覚の反映だった。『エクソダス症候群』はディックとはまったく別なかたちだが、大胆なアプローチで精神疾患の意味を問うていく。 エクソダス症候群に罹った者は、妄想や幻覚をともなった強い脱出衝動に駆られる。地球ではすでに見られなくなったこの病が、火星で急増していた。ウイルス説、環境汚染説、事説、医源説......さまざまな仮説が立てられるが、決め手は見つからない。その謎をめぐってストーリーが進行し、表面的には医療サスペンス(マイクル・クライトン『アンドロメダ病原体』の精神科版)として読むこともできる。クライマックスでの謎解きもある。だが、それはこの小

    【今週はこれを読め! SF編】宇宙図としての精神病棟、頭蓋のなかの火星 - 牧眞司|WEB本の雑誌
    florentine
    florentine 2015/07/07
    「読みはじめてまっさきに連想したのは、フィリップ・K・ディック『火星のタイム・スリップ』」気になるん。