イソップ寓話(ぐうわ)として広まっている「3人のレンガ職人」というストーリーをご存じだろうか。旅人が、同じようにレンガを積む3人の職人に「何をしているのか」と聞いたところ、それぞれが異なる目的を答え、仕事に取り組む姿勢を考えさせるという教訓話。昨年ヒットしたフジテレビドラマ「イチケイのカラス」でも紹介された。ところが、インターネット上には「これはイソップ寓話ではない」「経営学者のP・F・ドラッカーの名言だ」「広島県の中学校の校長先生の創作ではないか」などと諸説が入り乱れている。何とか出典を突き止めようと当事者や専門家を訪ね歩くと、17世紀にロンドンで発生した大火事からの復興ドラマが浮かんできた。3人の職人にまつわる物語を、上・中・下の3編に分けて紹介したい。【生野由佳/デジタル報道センター】 新人研修の定番スピーチ 「3人のレンガ職人」のストーリーとは、おおよそ次のような内容だ。 旅人が、