イタリアのマリオ・モンティ首相は昨年11月の就任以来、こう語ってきた。巨額の債務を削減していくには、国民全体が平等に痛みを伴う必要があると。 このもっともらしい政策は大して注目されなかった。だが今月に入り、モンティが攻撃の矛先を脱税がはびこる超富裕層に向けると、話は変わった。 超富裕層はターゲットにしやすい。イタリアの新聞によれば、年間所得が2万ユーロ(約200万円)未満の人々が、合計で18万8000台ものスーパーカーを所有している。フェラーリやランボルギーニ、ポルシェやBMWといった超高級車だ。プライベート・ジェットやヘリコプターは518機、ヨットは約4万2000台所有しているという。 またイタリアでは昨年、1500万人(国民の約4分の1)が課税所得なしと申告したが、彼らの5分の1は家を少なくとも3件所有しているとの報告もある。 モンティの指示を受け、国税局は富裕層のリゾート地を急襲し、