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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/joyce (10)

  • 欧米で過激な政党が台頭する本当の理由

    今年1月に開催された欧州の極右政党の集会に出席したルペン(中央)とウィルダース(左) Wolgang Rattay-REUTERS <トランプやヨーロッパの極右政党が台頭したのは、既存の政治家が国民世論から乖離して政治の「空白地帯」を生み出したことが背景にある> 先日、僕はアメリカ人の友人とドナルド・トランプの米大統領選について話していた。彼は怒っていて、トランプをナルシシストでばかなやつだと言った。ちょっと違和感があったのは、彼自身がそのトランプに投票していたからだ(彼に言わせれば「反ヒラリー票」らしい)。 正確にいえば、僕の友人トランプに怒っているのではない。(彼のように)トランプを大統領に選んだ人々もまた同様。友人は、こんな自己中な政治素人に投票してシステム一新を図らなければならないほど、既存の政治家が国民から遠く離れてしまったことに対して怒っていたのだ。 僕はアメリカ政治は専門で

    欧米で過激な政党が台頭する本当の理由
    fragilee
    fragilee 2017/03/16
    でもこうした勢力の台頭を許したからといって、僕のアメリカ人の友人と同様、僕はこれらの国の怒れる有権者たちをただ責めることはできない。 それが真っ当な感覚だよ。>>
  • スコットランド住民投票の意外な意味

    スコットランド独立の是非を問う住民投票が、9月18日に行われる。僕が心配していたとおり、結果はほんのわずかの差で決まることになりそうだ。 イギリスからのスコットランドの分離独立は、わずか数千票の差で決まる可能性がある。これは極めて重大な決断で、「次の選挙」で現政権にノーを突きつけて簡単に覆せるようなものではない。賛成が過半数を占めさえすれば、たとえ反対票が49%に上っても分離独立できるなんて信じがたいことだが、今回の住民投票ではそれがあり得るのだ。そこまでの僅差だと、独立について住民の「明らかな信認を得た」とはとても言えない。独立に反対した人々にとっては受け入れがたいはずだ。 独立「イエス」派のかなりの人々は、現イギリス政府を支配する保守党政権に反発を抱いているから独立を求めている、という部分が少なからずある。正確に言うならこれはスコットランド独立のための投票というより、「イングランド人有

    スコットランド住民投票の意外な意味
    fragilee
    fragilee 2014/09/15
    へぇ。こんな問題もあるんだね…>>
  • 移民問題が「タブー」でなくなったわけ

    ここ数年、僕たちイギリスの国民は、一部の政治家からこんな寛大な言葉を聞かされてきた。移民について懸念するのは、決して人種差別なんかではないですよ――。 こんな「お許し」が出たのは、大きな変化だ。10年以上にわたり、多くのイギリス人が移民の大量流入に懸念をおぼえながらも、そんな心配を口にしようものなら非難されてきたのだから。僕の友人の1人も、大量の人々を外国から輸入するという事実上の「政策」をずばり批判したために、事あるごとに人種差別主義者だと非難されていた。 僕は、もっと慎重に発言するようにと彼をたしなめたこともあった。それに正直に言うと、数年前ならこのブログにこんなことを書くのすらためらわれただろう。 イギリス政治に関心のある人なら、2010年の総選挙でのあの出来事を覚えているかもしれない。当時のゴードン・ブラウン首相が遊説中、テレビカメラの前である熱心な労働党支持者の女性から移民問題に

    移民問題が「タブー」でなくなったわけ
    fragilee
    fragilee 2014/07/24
    いい話だ。こういうこと知ってるか知らないかで、いわゆる「移民」問題に対する認識はだいぶ変わるだろう。実際、欧州では大問題になってるわけだからさ(-_-;)...>>
  • アイルランドとイギリスは意外に友好的

    他人が見た夢の話を事細かに聞かされるほど退屈なことはない、と言う人もいる。だからあらかじめ謝っておく。僕が見た鮮やかで面白い夢も、みなさんにはまったく退屈かもしれないから。 夢の中で、僕はどういうわけかデービッド・キャメロン英首相から、アイルランド政府代表団と話をするよう頼まれた。アイルランドとの新たな合意をまとめるためだ。その間、キャメロンとアイルランドの首相はお茶を飲んで、楽しくおしゃべりをしていた。 最近アイルランドを訪れた以外、こんな夢を見た理由は考えられない。そのことが僕の潜在意識に働きかけたのだろう。僕はアイルランドとイギリスの関係、そしてアイルランド人とイギリス人の関係にとても興味がある。祖父母がみんなアイルランド出身なのが大きな理由だ。僕は生まれも育ちもイングランドだが、自分は「一部アイルランド人」だと思っている。 夢に話を戻そう。キャメロンの要請はとても厄介なものだった。

    アイルランドとイギリスは意外に友好的
    fragilee
    fragilee 2014/04/20
  • オリンピックの巨額予算に僕が怒る訳

    非常に大きな数字を把握するのが苦手なのは、僕だけではないと思う。7億ポンドの無駄使いよりも20億ポンドの無駄使いに対して怒りを感じるべきだというのは、理論上は分かる。でも実際は、僕にとってはどちらの数字も同じくらい理解しがたい。だから無駄になった例として耳にすれば、両方とも同じくらいに怒りを覚える。 僕が日にいた頃は、特によく分からなかった。1ドルは現在約100円、1ポンドは約160円と、円は通貨の基単位としては非常に小さい。だから金額について当惑することはしょっちゅうあった。「30兆」円の予算について記事を書いても、その数字が何を意味するかまったく理解できない。 東京で僕がしばらくコーヒーテーブルに置いていたの一つが、村上龍の『あの金で何が買えたか』だった。そこには、一つの銀行を救済するために注入された公的資金でニューヨーク・ヤンキースを何回買収できたか、といったことが示されていた

    fragilee
    fragilee 2013/09/27
    五輪なんぞよりほかにやるべきことあるんぢゃね?とふつーに想う。>>
  • 「大学前」で決まる超・学歴社会 | コリン・ジョイス | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    最近、英国国教会の最高位職であるカンタベリー大主教に、前ダラム主教のジャスティン・ウェルビーが新たに就任した。彼は賞賛に値する人物だし、イギリスの宗教指導者として立派に務めあげてくれるに違いない。 だけど、僕が今ここで彼を取り上げるのは、別の理由。こんな質問をするためだ。ウェルビーとウィリアム王子(英王位継承権第2位の人物)、デービッド・キャメロン(英首相)、ボリス・ジョンソン(ロンドン市長)の4人に共通するものは何か? 答えは、彼らが全員、同じ学校の出身者だということ。名門私立中等学校のイートン校――多分、世界で一番有名な学校だ。イートン出身者はイギリスでは何百年もの間、あらゆる分野でトップに居座り続けている(歴代首相のうち19人がイートン出身だ)。そうは言っても最近では特に、イートン出身者に権力と富が集中する傾向が顕著だ。 イートン校は、イギリス人が紛らわしく言うところの「パブリックス

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    fragilee 2013/04/08
    これは身も蓋もない良い内容の記事だ。>>
  • 歩行者をいら立たせないロンドンの街

    こんなことはいつもならまずあり得ないが、この間、僕は思わず東京を悪く言ってしまった。 イギリスに帰ってからしょっちゅう聞かれるのは、日で暮らすのは「どんな感じ?」ということ。簡潔に答えるのはほぼ不可能だから、かなり困る質問だ。表の面と裏の顔、良いところと悪いところをすべて説明するなんて到底できないことは分かっているので、僕はいつも1つ良いところを挙げることにしている。 「東京の人たちはとにかくいい感じなんだ」「けんかになることはまずない」「べ物が最高」あるいは、ただ簡単に「日当に恋しいよ」と言うこともある。こういうふうに言えば、日に好印象を持ってもらえる。もっとも、日の別の側面を挙げれば、悪い印象を抱かれるかもしれない(「夏は当にジメジメして不快」「アパートはびっくりするほど狭い」「緑地がとても少ない」)。 実際に日に行ったことがある人は少ないから、彼らの頭の中には話を判

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    fragilee 2012/09/17
  • イギリス究極の動物愛

    動物に抱く愛情は、何だか妙なものだ。なぜなら大抵、僕たちは動物たちと交流でき、動物が人間のような感情を抱いているものだと(誤って)思い込んでいるものだから。たとえば、ネコが膝の上で丸くなってのどを鳴らしていれば、ネコが自分のことを「愛している」と思えてしまう。あるいは犬を叱りつけた時に縮こまってクンクン鳴いていれば、犬が「ごめんなさい」と謝っていると考える。 でも合理的に考えて、僕はそうした見方をちょっとばかにしてしまう。そんな事実はいっさいないからだ。人間が単に、(僕がどこかで読んだ言葉を借りれば)「擬人化せずにはいられない症候群」に陥っているだけのことだ。 あるいは僕たちは、ある動物にさまざまな良さを見出して愛するのかもしれない。かわいらしさ、気高さ、優美さ......。大抵、こうした特徴は僕たちが勝手に押しつけたもので、動物たちに備わっている客観的事実ではない。 つまり、動物への愛情

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    fragilee 2012/08/01
  • サッカーに見るイギリス人の病

    数週間前、イングランドのサッカーの試合で悲劇が起きた。ファブリス・ムアンバという名の若い選手が心臓発作で倒れ、瀕死の状態に。命は取り留めたが、完全に回復するまでには長い道のりを要する体になってしまった。 この事件は、試合を見ていた何万もの観客の目前で起こった(テレビ中継もされていた)。観客は礼儀正しく沈黙を守り、深刻な状況のために試合が中止になったことを静かに受け入れた。その後の数日間、インターネット上にはムアンバを応援するメッセージがあふれた。ムアンバが所属するボルトンFCのグラウンドの一角は聖地と化し、あらゆるチームのファンから花やメッセージ入りユニフォームが手向けられた。 普通に見れば、これは感動的な出来事だった。この劇的な数日間は、メディアで盛んに叫ばれた2つの言葉を使えば、いわば「サッカーの共同体」が「一つになった」瞬間だった、ということになる。 僕は長年のサッカーファンで、試合

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    fragilee 2012/05/10
  • 憲法はなくてもバジェットデーがある

    アメリカで暮らしていた時、イギリスには憲法がないんだという話をして当惑されることがあった。もちろんイギリスにも、法や慣行に基づき国家の在り方を規定したものはある。だが、どんな原則に基づきどう国を統治していくのか、ということを明記した1つの成文憲法は存在しない。 当然のように、こう言われたものだった。「法全体」が明確に描かれた憲法が存在するほうが、道理にかなっているのでは? これに対し僕は、イギリスには憲法がないが物事はなんとかうまく回っているから、たぶん憲法はそんなに大事なものじゃないんだろうと思う、としか答えられなかった。でも実際、国家には憲法があるのが常識だと思って育った人々には、憲法がないなどという事態は受け入れがたいものなのかもしれない。 一方僕たちイギリス人は、年に一度「国家予算が明らかにされる特別な日」がある、というのが常識だと思って育ってきた。「バジェット(予算)デー」

    fragilee
    fragilee 2012/04/02
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