平日午前と午後、毎日2度開かれる官房長官の記者会見は、政権の考えを知る最も重要な取材機会だ。この官房長官会見での質問を巡り、2018年末から記者への質問が“制限”される、ということが起きている。 その制限されている当事者でもある東京新聞の望月衣塑子記者と、朝日新聞政治部記者出身で現・新聞労連(日本新聞労働組合連合)委員長でもある南彰さんに、今政治報道の現場で何が起きているのかを語ってもらった。 浜田敬子BIJ統括編集長(以下、浜田):望月さんの著書『新聞記者』が原案になった映画が6月に公開されますね。どういう映画ですか? 望月衣塑子さん(以下、望月):政権側がひた隠しにする権力中枢の闇に迫ろうとする、日本人と韓国人のハーフでアメリカで育った女性の新聞記者( シム・ウンギョン)と、理想に燃えて官僚になった男性(松坂桃李)との対峙や葛藤が描かれています。 メディアがどんどん権力によってコントロ