n倍の高周波を出力する「周波数逓倍回路」 周波数逓倍回路とは、ある周波数の電気信号をn倍の高周波に変換する回路です。一般的な発振回路の出力信号の波形にはひずみが含まれ、きれいな正弦波を出力できません。ひずみが生じるということは、波形に高い次数の高調波が含まれているということです。周波数逓倍回路は、この高調波の中から所望のn次の高調波成分を共振させ、抽出します。 図3に周波数逓倍回路の一例を挙げました。破線1部は、水晶振動子Y1と所定の周波数で発振する発振回路を構成しています。 破線1部の後段の破線3部に示した同調回路によって、破線1部の発振出力に含まれる所定の高調波成分に同調させます。破線4部は、増幅用トランジスタQ2や自己バイアス回路で構成した増幅回路です。自己バイアス回路とデカップリング回路によって、異常発振を抑えつつ、逓倍出力を得られるように構成されています。 高調波成分を使うことで
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