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ブックマーク / newsweekjapan.jp (35)

  • 無駄な鉄道に突っ走るオバマ政権

    走る補助金 膨大な政府補助金をつぎ込んだアムトラックの利便性は、一向に向上しなかった Joshua Lott-Reuters バラク・オバマ大統領が意気込む高速鉄道整備計画は、過去の失敗から学べない政府の無能さを示す典型的な例だ。1971年以来、アメリカ政府は約350億ドルの補助金をアムトラック(鉄道旅客輸送公社)につぎ込んできたが、ほとんど公共の利益になっていない。 交通渋滞の緩和や石油消費量、温室効果ガスの排出量の面で、注目に値しない微々たるレベルの環境効果があった程度だ。恩恵を受けているのは、ごく僅かな利用者だけ。1日あたり1億4000万人が通勤するアメリカで、アムトラックを利用するのは7万8000人しかいない。1回の移動で約50ドルの補助を受けていることになる。 そう考えれば、どんな間抜けな政治家でも鉄道事業への補助金など増やさないだろうと思うのが普通だ。しかも、今年から2019年

    fujikumo
    fujikumo 2009/08/26
    <確かに、人口密度が高い地域や国では、都心や商業地区を結ぶ鉄道が適している。日本では1平方マイルあたりの人口が880人、イギリスでは653人…アメリカでは…1平方マイルあたりの人口は86人>
  • イスラエル排斥論の大波紋

    パレスチナ問題の解決には国際社会がイスラエルをボイコットするしかない──有力イスラエル人学者がそう表明したため波紋が広がっている 8月20日、ロサンゼルス・タイムズ紙は「イスラエルをボイコットせよ」と題した勇気ある論説を掲載した。 テーマは、ヨルダン川西岸とガザ地区の占領を続けるイスラエルに対する「BDS(ボイコット、資の引き揚げ、経済制裁)キャンペーン」について。執筆者のイスラエル人政治学者ネーブ・ゴードンは、パレスチナ問題の解決策としてボイコット運動をやむなく支持すると表明した。 ベングリオン大学(イスラエル)政治科学学部で学部長を務めるゴードンは、多くの著書があり、大学から終身在職を保障されている研究者。敬虔なユダヤ主義者であり、イスラエル国防軍のエリート部門である空挺部隊での兵役中に負傷したこともある。 論説の中でゴードンは、イスラエルは歴史的な転換点に立っており、最悪の事態を回

  • ベビーブーマーという重荷

    「子供たちのために○○しよう」――政治家が使う決まり文句のなかでも、これほど人々の心を動かす言葉はないだろう。子供たちの将来の幸せのために、いま私たちが犠牲を払うべきだという言葉は道徳心に強く訴えかける。 だからこそ多くの政治家がこの手の公約を掲げる。バラク・オバマも同じだ。「子供たちの未来を抵当に入れないために歳出を抑制すべきだ」と大統領選挙中、彼は繰り返し訴えた。1月15日のワシントン・ポストとのインタビューでも、彼は社会保障や医療保険の制度改革をあらためて公約した。 だが悲しいかな、政治家が常に有言実行だとはかぎらない。 オバマ政権下で、世代間の緊張や対立が起きるのは避けられない。アメリカ社会は高齢化しつつあるからだ。65歳以上の高齢者は1960年には11人に1人だったが、現在は8人に1人。2030年までには5人に1人に増えると予想されている。 だが高齢化社会では、若者より高齢者が政

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    fujikumo 2009/08/22
    <オバマ政権下で、世代間の緊張や対立が起きるのは避けられない。アメリカ社会は高齢化しつつあるからだ>
  • アメリカの医療保険制度は最高だ!

    病気になったら? カリフォルニア州ベニスで健康診断を受ける無保険のドナジ・クルスちゃん(3歳、09年6月) Lucy Nicholson-Reuters 申し訳ないが、私はアメリカの医療保険制度は現状のままでいいと思っている。私は医療保険に加入しているし、4700万人の無保険者のことなど知ったことじゃない。誰かがバラク・オバマ大統領と議会を止めるべきだ。医療改革法案を葬れ! 私は今のままのほうがトクなのだ。 「医療の公営化」に反対する手紙を大統領に出し、「私のメディケア(高齢者医療保険制度)に手を出すな」と書いた女性に私は賛成だ。メディケアが公的医療制度であることはともかく、そうこなくては! 私が連邦議員たちと同じ高水準の保障を得ていい道理などあるだろうか。法案に反対していた民主党の保守派議員などは「ブルー・ドッグ(青い犬)」と言われるだけあって顔色が悪く、たくさんの医療サービスを必要とす

    fujikumo
    fujikumo 2009/08/05
    <癌の再発については考えるのも恐ろしいが、そのときに直面する究極の選択にはぞくぞくする。数十万ドルの医療費を払うために家を売るか、死ぬかの選択だ。>
  • 不機嫌な中国のアメリカ離れ幻想

    行かないで 「米中戦略・経済対話」の最中、間違った方向へ行きかけた中国の王岐山(ワン・チーシャン)副首相を引き留めるガイトナー米財務相(7月27日、ワシントン) Jonathan Ernst-Reuters 『中国不高興(不機嫌な中国)』──中国でベストセラーになっているの題名だ。愛国主義者の著者5人は、今こそ中国は「西側とたもとを分かつ」時だ、と主張する。特にアメリカ、そして中国政府が1兆ドルも保有している米国債から離れなければならないと。 アメリカと距離を置こうとする中国人の願望は、日増しに強まっている。6月に国際ニュース紙「環球時報」が報じた同紙の世論調査では、87%が中国のドル建て資産の安全性を疑問視していた。 ティモシー・ガイトナー米財務長官が5月末に訪中する直前には、中国を代表するエコノミストを対象にした調査で、23人中17人が米国債は「リスキー」で、アメリカ株も中国経済の潜

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    fujikumo 2009/07/30
    <『中国不高興(不機嫌な中国)』──中国でベストセラーになっている本…今こそ中国は「西側とたもとを分かつ」時だ、と主張…アメリカ、そして中国政府が1兆ドルも保有している米国債から離れなければならない>
  • インドネシア経済を立て直した女

    08年12月、ある種の金融津波がインドネシアを襲った。例の世界的信用収縮の波ではない。インドネシア政府が国民や企業に対し、今後きちんと納税すれば過去の脱税は罪に問わないという新政策を打ち出したため、国庫に納税者のお金が押し寄せたのだ。 税収が正確にどれだけ増えたかはまだ不明だが、エコノミストは年間で50%以上は増えたと予想する。「これまで税務上存在もしていなかった納税者や過去の過ちを正したい納税者からの歳入が飛躍的に増大した」と、この政策の発案者であるスリ・ムルヤニ・インドラワティ財務相は言う。 この税収増はスシロ・バンバン・ユドヨノ政権、とくにムルヤニの大きな手柄だ。この国では、98年まで32年間続いたスハルト独裁政権の間に縁故資主義がはびこった。ムルヤニは閣僚としてユドヨノ政権に参画した4年前から、そうした金融構造の解体を推し進め、金融秩序を取り戻した。 また政府と民間双方の債務を削

    fujikumo
    fujikumo 2009/07/06
    <インドネシア政府が国民や企業に対し、今後きちんと納税すれば過去の脱税は罪に問わないという新政策を打ち出したため、国庫に納税者のお金が押し寄せたのだ>年間で50%以上の税収増加と。
  • 米失業率9.5%に、「希望」はどこへ

    増えるばかり ミシガン州デトロイトで開かれた仕事フェアに列を成す人々(3月12日)。同州の失業率は14%を超える Rebecca Cook-Reuters ケリー・クロストスキ(47)は、今後の人生で期待できるものを手に入れたはずだった。それは最先端技術と経営に関するコンサルタントという、輝かしいキャリア。この稼ぎがあれば、2人の娘の大学の学費を払い、オレゴン州ポートランド近郊の町で快適な引退生活を過ごすことが可能なはずだ。 それなのに、クロストスキは今年2月から無職だ。唯一手に出来そうな仕事は、給与が4割減になる。それでも、彼女は喜んでこの職に応募しただろう。その会社が新規の採用を中止していなかったとしたら。 「この1年で、同僚の多くが職を失った」と、クロストスキは自宅で話す。来なら職場で仕事をしている時間だ。「この状態が続くかもしれないと考えると、気が狂いそうになる」 現在のアメリカ

  • アメリカのCEOは株を大量売却中

    弱気が台頭 景気は底入れしたのかしないのか、疑心暗鬼から3日続落したニューヨーク株式市場(6月23日) Eric Thayer-Reuters 景気回復論にもう一つの反証が表れた。「景気は底を打った。これからは成長だ」と語るCEO(最高経営責任者)たちが、その舌の根も乾かぬうちから個人の持ち株の処分を急いでいる。 カリフォルニアを拠点とする投資調査会社トリムタブスの最新のリポートによると、企業の経営情報を知りうるインサイダーたち、つまり米証券取引委員会(SEC)に個人の金融資産を開示しなければならない大物たちは、4月、5月、6月と、連続で株を売り越している。 今月これまでに、スタンダード&プアーズ(S&P)500社指数に入る米大企業の経営幹部たちは、26億ドル相当の株を売却した。もっと心配なのは、買うほうはたった1億2000万ドルだったこと。売りと買いのバランスが売りに傾いていることも弱気

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    fujikumo 2009/06/25
    <景気回復論にもう一つの反証が表れた。「景気は底を打った。これからは成長だ」と語るCEO(最高経営責任者)たちが、その舌の根も乾かぬうちから個人の持ち株の処分を急いでいる。>
  • 貧困層が引っ張るインド経済

    「後進国」の強み 経済の柱の1つの農業は今年も堅調で、農村の消費需要も拡大しそう Ajay Verma-Reuters 世界経済の09年の見通しがほぼ真っ暗ななか、数少ない希望の光がインドだ。インド経済の今年の成長率は5~6%で、90年代の年平均成長率を上回りそうだ。 確かに株価は暴落して失業者は急増、住宅価格も一部ではアメリカのマイアミビーチ並みに下落している。1月7日には、IT大手サティヤム・コンピュータ・サービスが利益の水増しを行っていたことまで明らかになった。 それでも、国全体が脱線するほどではない。インドが誇る意外な牽引役、貧困層のおかげだ。近年の所得増加の結果、生活必需品や基的サービスに対する巨大な需要を生み出している。 彼らは、最低生活水準よりは上の暮らしをしているが、現代の消費社会の仲間入りをするほど豊かではない中流予備軍。その台頭自体は新しい話ではないが、今回の危機では

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    fujikumo 2009/06/20
    <中国とは実に対照的だ。中国経済は半分以上が外需だが、インド経済は4分の3が内需。「だからこそ、インドは世界貿易の縮小から影響を受けにくい」と、インド政府の経済顧問を務めたサンカール・アチャリャは言う>
  • スラムドッグの抜け出せない監獄

    映画『スラムドッグ$ミリオネア』を見に行く途中、タクシーの運転手に頼んでコルカタ(カルカッタ)市内のタングラ地区を通ってもらった。このインド東部の都市にあるスラム地区に、私は10代後半のころ暮らしていた。35年以上昔の話だ。 ほとんど変わっていなかった。迷路のように入り組んだ狭い通りに、金属板とポリ袋でつくった粗末な小屋。ガリガリにやせた男が道端でかみタバコをくちゃくちゃやり、裸の子供たちが路上で排便し、空き缶を抱えた女たちが公共の水道の蛇口の前に列をつくる。 ゴミと排泄物の臭いが充満しているのも昔と同じ。60年代と違うのは、いくつかの小屋にカラーテレビがあることだけだった。 私は今でも、どうやって自分がそこから抜け出せたのか不思議に思う。今年のアカデミー賞で8冠に輝いた映画『スラムドッグ$ミリオネア』の主人公のジャマールは、いかにも映画らしく、愛と勇気と幸運の力で道を切り開く。この映画

    fujikumo
    fujikumo 2009/06/20
    どういうふうにしてインドのスラム街から出発して、news weekの記者になったか。半生を回想。
  • 保険金欲しさに愛車に火を放つ愚

    アメリカ人は車を愛していたものだ。しかしこの不況で、その愛も冷めはじめている。 例えばサウスカロライナ州のある男性は今年初め、02年式のフォード社製ピックアップ車が盗まれたとして保険を申請。車はすぐに自宅から数キロのところで黒焦げになった状態で発見された。こじ開けられたような形跡は見つからなかった。代わりに明らかになったのは、この男性が車のローンの支払いを滞納し、過去2回もローンの借り換えをしていたのを隠していたこと。 カリフォルニア州のある女性は、GM社製の02年式SUV車が駐車場から忽然と消えたと保険申請した。実際のところ、彼女はその車をメキシコで解体し、部品を売りさばいていた。アリゾナ州の男性は、06年式の乗用車の月々の返済ができなくなり、娘の彼氏に、娘との結婚を認めてやるから車に火をつけてくれと頼んだ。 全米保険犯罪局(NICB)の広報担当者フランク・スカフィディによれば、このよう

  • レバノン親米派の勝利に浮かれるな

    大きな少数派 レバノン総選挙で親欧米の与党連合勝利を祝うキリスト教徒たち(選挙結果が発表された6月8日、ベイルートで) Hussam Shbaro-Reuters バラク・オバマ米大統領は、6月8日のレバノンでの出来事を思って思わず笑顔になるかもしれない。これまで長い間、他のどんなアメリカ大統領にも望めなかった幸運が訪れた。 この日、前日に行われた国民議会選挙(総選挙)の結果が発表され、親欧米の与党連合「3月14日連合」が勝利。しかも、イランのマフムード・アハマディネジャド大統領が公に支援していた候補者たちは屈辱的な敗北を喫した。この選挙結果は、イラン国民がその意味を理解するにつれ、6月12日のイラン大統領選でアハマディネジャドの再選を阻む逆風にさえなるかもしれない。 もし選挙結果が逆であれば、大変なことになっていた。多くのアナリストは、親シリア・イランの野党連合が大勝すると予想していた。

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    fujikumo 2009/06/10
    オバマ大統領のカイロ演説が多少効いたかも、と。演説の最中に、レバノンのキリスト教マロン派についても言及したらしい。
  • 左派のうねりが怒れる欧州を覆う

    怒れる労働者 雇用と賃金を守れと訴えるデモ行進(1月29日、フランス・マルセイユ) Jean-Paul Pelissier-Reuters アラブ諸国では、街頭の市民の声や抗議デモが政治家も無視できないほど大きな力をもつ。しかし今、世界が耳を澄ますべきはヨーロッパの街の声かもしれない。 ヨーロッパでは、政治家に従うより街頭の市民の訴えのほうがよほど理にかなっていると考える人が増えている。今年も世界経済フォーラム年次総会が開かれたスイスのダボスには政財界のエリートが集まったが、市民レベルではまったく注目されず、代わりに各国で抗議デモが広がっている。 とくに象徴的なのがフランスだ。歴史をみてもわかるように、この国でデモが起きはじめると他のヨーロッパ諸国にも程なく政治の新時代が訪れる。 ニコラ・サルコジ仏大統領は半年間のEU(欧州連合)議長国の大任を果たし終え、意気揚々と新年を迎えた。ところが1

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    fujikumo 2009/06/09
    <フランスの社会主義政党は5年にわたる主導権争いで有権者に相手にされなくなったが、そんな空白を埋めたのが「反資本主義新党」だ>反資本主義新党ってすご
  • オバマ指名判事への的外れ批判

    話題騒然 オバマによるソトマイヨール(右)の連邦最高裁判事指名は大きな議論を呼んでいる(5月26日、ホワイトハウス) Larry Downing-Reuters 米連邦最高裁判事の指名承認公聴会は、どういうわけか人間をがさつにする。上院司法委員会のまぶしい光が、人間のいちばん嫌な部分をあぶりだすのかもしれない。いつもは理性的で知的な委員会のメンバーが、やかましくて意地悪な集団に変身する。 ブッシュ政権時代に指名されたジョン・ロバーツ連邦最高裁判所長官やサミュエル・アリート連邦最高裁判事は、女嫌いで人種差別的だと民主党から批判を受けた。5月26日にバラク・オバマ大統領が新しい連邦最高裁判事に指名したソニア・ソトマイヨール連邦高裁判事も、共和党陣営から同じような扱いを受けることになりそうだ。 共和党系団体「司法承認ネットワーク」の顧問弁護士であるウェンディ・ロングは早速、ソトマイヨールは「法律

  • インドの歓迎すべき選挙結果と中国、ビルマ

    インドの民主主義は中国への圧力になるし、オバマ政権が「共和党の星」を駐中国大使に指名したのもあっぱれだった。今週目白押しだったアジア関連ニュースとアメリカの関係は インド亜大陸にとっては概して良い週だった。インドの総選挙は地政学的にも息を呑む規模のものだったし、マンモハン・シン首相の指導下で世界で最も賢明かつ有能な部類に入る現政権が勝利したことにも勇気づけられる。 1947年のインド独立後、任期を満了して再選される指導者はシンで2人目の快挙。インドが安定的な成長段階に入ったことを示唆している。この国の将来に賭けようとする投資家にとっては魅了的だし、同盟国としてのインドに依存を強めるアメリカのような国々にとっては励みになる話だ。 そればかりではない。これほど大規模な民主主義の成功は、巨大で複雑な国家では民主主義は機能しないと主張してきた中国のような国にも強力なメッセージを送ることになるだろう

    fujikumo
    fujikumo 2009/05/20
    オバマ大統領は、共和党の潜在的大統領候補の一人、ユタ州のジョン・ハンツマン知事を駐中知事に任命と。