アジアと欧米の専門家の間で、「ついに中国の時代がやって来た」という声が高まっている。 アメリカは深刻な景気後退に苦しみ、出口の見えない2つの戦争で傷ついたイメージの回復を図っているところだ。それを尻目に中国は着々と影響力を伸ばしている。 今の中国は自信満々だ。4月半ばの博鰲アジアフォーラム(ダボス経済フォーラムの中国版)でも、中国の代表は低姿勢を保つ一方で、金融危機を招いた米政府の失政をあげつらい、米ドルに代わる新たな国際決済通貨の創設を呼び掛け、世界の経済体制における自国の役割拡大を要求した。 さらに数日後、中国海軍は創設60周年記念式典で2隻の原子力潜水艦を初めて公開し、影響力を太平洋とその先の海域まで拡大しようとする意思を明確にした。 一方、中国の台頭に対する他国の反応は驚くほど静かだ。1人当たりGDP(国内総生産)が中国の10数倍ある日本も例外ではない。20カ国・地域(G20)首脳