名古屋大学(名大)は6月7日、ベンゼン環を環状につなげた化合物であるカーボンナノリング分子の空間内にヨウ素を閉じ込めた複合体を合成し、この複合体に電気刺激を加えることで電子伝導性および白色発光を発現させることに成功したと発表した。 同成果は、科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業 ERATO伊丹分子ナノカーボンプロジェクト 伊丹健一郎研究総括(名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所拠点長/名古屋大学大学院理学研究科教授)、尾崎仁亮研究員(名古屋大学大学院理学研究科研究員)らの研究グループによるもので、6月6日付けのドイツ科学誌「Angewandte Chemie International Edition」に掲載された。 刺激応答性機能物質は、電圧や光といった刺激に応答して性質が変化し、その変化により特定の機能性を示す。これまでに合成された刺激応答性機能物質の多くは、刺激に応答する