氷河期には海水が重くなる 第四紀の気候は氷期・間氷期サイクルで特徴づけられます。そのサイクルは、地球の公転軌道や自転軸の傾斜角などが作る日射量の地理的分布の変化がペースメーカーとなって作られています。氷期・間氷期変動は主にグリーンランド・北米など北半球高緯度の氷床が拡大・縮小を繰り返して起こり、同時に100mを超える海水準の変動も起こります。さらに、海水の酸素同位体比(δ18O、質量数16の酸素 16Oに対する質量数18の酸素18Oの割合)も変化します。 海水の蒸発時には軽い水(H216O)がより高い比率で蒸発します。よって氷床の元となる雪には軽い水が濃縮されることになります。氷期には氷床として軽い水がより多く陸揚げされたままになるため、残された海水は重くなりδ18Oが増加します。過去の海水のδ18Oは有孔虫化石に記録されており、水温変化が少ない深海底に棲む底生有孔虫の化石からは世界中でほ
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