9月中旬にOECDの「図表でみる教育」が出版されました。毎年この季節になるとこの報告書から日本に関するデータがフィーチャーされて巷を賑わせます。今年、最も興味深かったのは「日本は大学で学ぶ金銭的なメリットの男女間格差が先進諸国で最大」という報告の原因についてネットで色々と言及されていた点です。 そこで今回はOECDのデータを紹介するとともに、その原因に関する議論の問題点を指摘したいと思います。 大学で学ぶ金銭的なメリットの男女間格差 図1は、男女別の大学で学ぶ金銭的なメリットを示しています。ほぼ全ての国で、女性が大学で学ぶ金銭的なメリットは、男性のそれを下回っています。この現象の原因について報告書は「この現象の原因には様々な要因が存在する。例えば女性の低い賃金、低い雇用率、パートでの雇用の多さ、男女間での大学の専攻の違いなどが挙げられる。安価で質の高い幼児教育が利用できるかどうかも女性の労