熊本大学産業ナノマテリアル研究所の浪平隆男准教授らと株式会社ジャパン・シーフーズらの共同研究グループは、パルスパワー技術によって瞬間的に大電流を流すことにより魚身の内部にいるアニサキスを殺虫することに成功した。冷凍・加熱以外でアニサキス殺虫を可能とする世界初の新技術で、すでに特許出願済みだ。 パルスパワーとは、200V(または100V)の電源から電気エネルギーを一旦コンデンサへ蓄積し、これらをマイクロ~ナノ秒レベルで取り出すことで得られる瞬間的超巨大電力のこと。研究グループは、魚身に瞬間的にこの大電流を流すことにより、魚身の温度上昇を抑え魚身中のアニサキスの殺虫に成功した。プロトタイプ機では、一度に3kgのアジフィーレ(3枚おろしにした片身)を約6分で処理できたという。解凍品に比べて品質の劣化が少なく、通常チルド品に近い品質が保たれる。 すでにジャパン・シーフーズ工場にてアニサキス殺虫装置
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