伝説のデザイナーが「印刷の終焉」、「Webの未来」、「ピンぼけ写真の不思議な魅力」について語る ジョー・シェプター ニューヨーク市のデイビッド・カーソン・デザインに電話をすると、思いもかけない言葉が聞こえてくる。「ハロー、こちらデイビッド」。 「こちらには3人しかおりません」とカーソンは肩をすぼめてみせた。「誰につなぎましょうか?」 確かに有能な電話番ではある。がしかし、デイビッド・カーソンはむしろ、その画期的なデザインによって知られる存在だ。かつてプロのサーファーだった経験を生かして「トランスワールド・スケートボーディング」や「ビーチ・カルチャー」などの雑誌に発表した、実験的なタイポグラフィーや大胆なレイアウトを取り入れた作品は世界中で絶賛された。これに続いて、制作責任者を務めた「レイガン」誌での業績により、カーソンの名声は不動のものとなり、最初の著書「印刷の終焉」が出版された。