特別鼎談:大谷能生×鈴木淳史×栗原裕一郎 「音楽」で読み直す2010年までの村上春樹・前編 『村上春樹の100曲』の発売を記念して、2010年に発売された『村上春樹を音楽で読み解く』(日本文芸社)に収録された、大谷能生さん、鈴木淳史さん、栗原裕一郎さんによる鼎談を特別公開します。『村上春樹の100曲』とあわせて読むと、この8年間で村上春樹の作品中の音楽の扱いがどのように変化していったかがわかるかもしれません。それでは、じっくりとお楽しみください。 栗原 えーと、まずはお疲れさまでした。今回は実は、大谷さんに無理を言って村上春樹を読んでもらったんだよね。 大谷 頑張りましたねー。全部読みましたよ。 栗原 短篇まで? 大谷 短篇も。ほぼ全部。 栗原 えらい!(笑) 鈴木 それまでは全然? 大谷 読んでないですね。でも『1Q84』のBOOK1でやめました。そこで力尽きました。どうせ先を読んでも同